社会・経済ニュース
2018年01月23日号
政府がまとめた高齢者施策の指針となる大綱見直し案によると、これまで65歳以上を一律に高齢者と見る一般的な傾向は「現実的ではない」と明記し、今後の社会保障制度や働く環境づくりでの基本指針とする考えを打ち出した。約5年ぶりの見直しで、「年齢区分による画一化を見直し、全ての年代の人が希望に応じて活躍できるエイジレス社会を目指す」としており、今後、年金制度改正や健康づくや介護予防、高齢者の就労促進策などの考えの基本となる。
投資信託協会は、一般の投資家が購入できる公募投信の2017年末時点での純資産総額が過去最高となる111兆1920億円になったと発表した。前年末比で14兆5505億円増加した背景には、世界的な株高により運用成績が伸びたことが挙げられており、事実、昨年は、日経平均株価は19%、米ダウ工業株30種平均は25%上昇している。また、少額投資非課税制度(NISA)の普及が拡がり、個人投資家が投資信託を買う動きが拡がった。
法制審議会部会がまとめた民法改正案要綱によると、配偶者が相続開始時に居住していた建物に住み続けることができる居住権が新設されることや、婚姻期間が20年以上の配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居(土地・建物)は原則として遺産分割での計算の対象外とすることが盛り込まれることになった。高齢化社会に対応して、高齢配偶者が居住住居を確保するとともに、生活資金の安定的な確保ができることを狙いとしている。相続分野の民法改正は1980年以来、約40年ぶりとなり、民法改正案は今年の通常国会に提出される。
厚生労働省と文部科学省の両省のまとめによると、昨年12月1日時点での大学生の就職内定率が86.0%となり、7年連続で最高を更新したことが分かった。男女別にみると、男性が85.2%、女性が87.0%。また、地域別にみると、最も高かったのは、関東が88.2%で、近畿(87.5%)、中部(87.1%)が続き、中国・四国(78.7%)が最も低かった。厚労省では「企業での採用意欲が高まっていることに加え、人材確保のため早目に内定を出す時期を早めている」とみている。
防衛省統合幕僚監部の発表によると、昨年4〜12月までに日本領空に接近した中国機への緊急発進(スクランブル)回数が過去2番目の多さとなる395回に上ったことが分かった。統幕では、沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋にまで進出する事例が増えていると指摘するとともに、回数は減ったものの長距離飛行が増え、活動範囲が拡大していると指摘している。一方、ロシア機への緊急発進は前年度同期比97回増の328回だった。
ビール大手5社の発表によると、2017年の出荷量は前年比2.6%減の4億407万ケースとなり、13年連続で最低を更新したことが分かった。昨年、種類の安売り規制強化による値上げに加え、夏場の天候不順が出荷量を押し下げたとみられる。大手5社のシェアを見ると、首位はアサヒビールが39.1%で、キリンビール(31.8%)、サントリービル(16.0%)、サッポロビール(12.1%)、オリオンビール(0.9%)が続いた。
日銀は2017年の国内物価指数(2015年平均=100)は前年比2.4%上昇の98.8となったと発表した。2014年以来3年ぶりにプラスとなった。日銀では、原油価格の上昇や円安が企業物価を押し上げたと指摘しており、これらを裏付けるように、品目別にみると、石油・石炭製品が18.2%、銅などの非鉄金属が12.6%も鉄鋼が9.2%上昇している。他方、電気機器や情報通信機器、プラスチック製品は下落している。
警察庁のまとめによると、昨年1年間に自殺した人は前年比3.5%減の2万1140人だったことが分かった。自殺者数は1998年から2012年までの間、3万人を超える状況で推移し、ピークだった2003年と比較し約4割減少している。自殺の原因・動機別(1人3つまで)をみると、「健康問題」が最も多く、生活苦などの「経済・生活問題」、家族の不和などの「家庭問題」が続いた。他方、厚労省が昨年1〜11月に自殺した年代別調べでは、40代の働き盛りが最多で、50代、60代が続いた。