社会・経済ニュース
2018年04月17日号
経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は麻生財務相との会談で、日本の消費税率をOECD加盟国平均の19%程度まで段階的に引き上げる必要があると文書で提言した。税率19%に引き上げる必要があるとOECDが文書で提言したことは初めてであり、異例とも言える。また、2019年10月に税率10%に引き上げを予定していることに対して、事務総長は適当であるとの考えを示した。
総務省は2017年10月1日時点での人口推計で、総人口は1億2670万6千人になったと発表した。前年比22万7千人の減少で、減少は7年連続となった。人口減少は40道府県で、増加の7都県を大きく上回っている。また、65歳以上の高齢者は3515万人で全体の27.7%を占め、75歳以上の後期高齢者は過去最高の13.8%を占めた。働き手である15〜64歳の生産年齢人口は7596万2千人で、全体に占める割合は60.0%となった。
経済産業省がまとめた「キャッシュレス化推進」の提言で、現在約2割にとどまっている現金以外の比率を80%に引き上げるとの考えを示した。現金の流通や管理に関わる国内でのコストは年約8兆円に上るとの試算もあり、このコスト抑制とともに、国も支払の流れを把握できることで脱税防止、消費者の購入履歴からビッグデータとして新たなサービス開発に活用できる利点、さらには偽札防止や盗難被害にも寄与するとしている。
日本自動車工業会の平成29年度乗用車市場動向調査によると、車を所有していない10〜20代の社会人(大学生含む)のうち、「買いたくない」意向を持つ人が54%に達していることが分かった。「買いたくない」理由(複数回答)では、「買わなくても生活できる」(33%)が最多で、「駐車場など今まで以上にお金がかかる」(27%)、「お金は車以外に使いたい」(25%)が続き、負担感から車を所有したくないとする姿勢がみられた。
金融庁の有識者会議がまとめた地方銀行が抱える課題に関する報告書で、人口減少を背景に地域経済の縮小し、地銀が1行しかなくても単独で存続困難な地域は富山・青森・和歌山など23県に上ると試算した。試算ではシステムの維持や人件費が賄えるだけの収益が確保でき、存続可能かどうかを算出したもの。地銀2行の存続可能な地域は神奈川・愛知・福岡など10府県、1行単独での存続可能は熊本・岩手など13道府県だった。報告書では「健全性維持のための一つの選択肢として経営統合もある」として、隣県を含めた広域での再編も考えられるとしている。
国立がん研究センターは2001〜04年にがんと診断され治療を受けた患者の10年生存率は55.5%となったと発表した。前回調査(2000年〜03年に診断・治療)と比較して1.3ポイント改善している。18種類のがん別10年生存率の高い順でみると、前立腺がん(92.4%)、甲状腺がん(86.0%)、乳がん(82.8%)が高かった。逆に、10年生存率が最も低かったのは、膵臓がん(5.0%)、肝がん(14.6%)、胆のう胆道がん(15.2%)の順となっている。
日本能率協会が今年入社の新入社員を対象にした意識調査によると、理想の上司・先輩を聞いたところ(複数回答)、「部下の意見・要望を傾聴する」が最多の33.5%だったことが分かった。昨年度1位だった「仕事について丁寧な指導をする」は33.2%で2位となり、3位には「部下の意見・要望に対し動いてくれる」(29.0%)となっている。また、昨年11位だった「仕事を任せて見守る」が4位に急増し、新入社員が自主性や意見の尊重を求める傾向が示されたと同協会では分析している。
名古屋市の葬祭サービス・ティアが40〜70代の男女を対象にした「葬儀に対する意識と実態」での調査結果によると、自分が亡くなった後に葬儀をして欲しいかの質問に、「はい」と回答した人は49.3%で、「いいえ」は50.3%とほぼ拮抗していることが分かった。他方、配偶者が亡くなった後に葬儀をしたいかの問いでは、「はい」が80.8%、そして親の葬儀をしたいかについては、「はい」が84.1%だった。自分の葬儀よりも、親や配偶者の葬儀をしたいと考えていることが浮き彫りとなった。