社会・経済ニュース
2018年05月01日号
日銀の金融政策決定会合で、物価上昇率2%目標の達成時期について、これまで「2019年度ごろ」としてきたものを削除する決定をした。2013年4月に黒田総裁が就任して以来、物価2%上昇を目指して大規模な金融緩和を行ない、この間、達成時期について6回先送り変更してきた。今回の物価目標達成時期を削除した背景には、2019、20年度の物価上昇率見通しが1.8%にとどまる結果となり、達成が困難視されることが挙げられている。
経済産業省の発表によると、2017年のネット通販の市場規模は前年比7.5%増の8兆6008億円となり、過去最大を更新したことが分かった。物販全体に占めるネット通販の割合も過去最高の5.79%に上った。ネット通販で、スマートフォン経由の割合は35%を占め、市場規模も初めて3兆円を超えた。また、同省は、使用しなくなった洋服等をインターネットで売買できる「フリーマーケットアプリ」を利用した市場規模が2017年に前年比58%増の4835億円となったと発表した。
読売新聞社が行った全国世論調査の結果によると、衆院で審議入りした民法改正案に盛り込まれている「成人年齢を18歳に引き下げる」ことに対し、56%の人が「反対」と答えていることが分かった。「賛成」は42%で反対を10%以上下回っている。年代別でみても、全ての年代で「反対」が50%を超えているとともに、2016年に同社が20歳以上を対象にした調査で、「賛成」が45%、「反対」が54%と、今回調査と同程度の賛否となっており、同社では「国民的理解が深まっていない」と指摘している。
労働組合の日本介護クラブユニオンの調査によると、介護現場で利用やその家族からセクハラを受けたとする職員が29%もあることが分かった。セクハラの内容では(複数回答)、「不必要に個人的な接触を図る」(51%)が最多で、「性的冗談を繰り返す」(47%)、「胸や腰などをじっと見る」(26%)が続いた。こうしたセクハラで「強いストレスを受けた」人が半数以上もあり、精神疾患になった人も4%あった。セクハラを受けた職員は、女性が32%、男性が12%となっている。
1963年に起きたジョン・F・ケネディ大統領の暗殺に関する機密文書の全面公開について、トランプ米大統領は先送りする決定を行い、2021年11月までに改めて公開の是非について検討をするように関係省庁に指示をした。全面公開の判断について延期した理由について、「国家の安全や外交を守るために必要である」との認識を発表している。トランプ大統領は昨年10月に多くの機密文書の公開を許可したものの、情報源や外国政府に関する機密が含まれていることを理由に一部文書について非公開を維持してきている。
食品需給研究センターの調べによると、2017年の「パックご飯」の生産量は約18万9千トンとなり、2年連続で過去最高を更新したことが分かった。パックご飯は電子レンジで温めて食べられるという炊飯の手間が要らないため、単身世帯や高齢者を中心に支持を集め、需要が拡大していることが背景にある。今後、こうした日常食としての需要に加え、防災対応の非常食の需要も加わり、消費拡大に向けてメーカーでの増産が続くとみられる。
国土交通省の集計によると、2013年に改正された耐震改修促進法に基づき耐震診断が義務化されたデパートや病院などの大規模施設の16%にあたる約1700棟が震度6以上の地震で倒壊する恐れがあることが判明した。集計結果によると、「倒壊の危険性が高い」大規模施設は約1千棟(全体の9%)、「倒壊の危険性がある」のは約700棟(同7%)となっている。その他、本来、自治体に耐震診断が義務付けられているにも関わらず、自治体に報告がなかった大規模施設も約100棟あった。
日本冷凍食品協会の冷凍食品の利用実態調査によると、冷凍食品を「月1回以上使う」人の割合は、前年比2ポイント増加の80%となり、初めて8割台に突入したことが分かった。利用の頻度を尋ねたところ、「週2、3回」が最多の31%で、「週1回」(25%)、「月2,3回」(22%)が続いた。ギョーザなどの冷凍食品の全21品目で利用頻度が品目を尋ねたところ(複数回答)、女性のトップは「冷凍野菜」(34%)で、男性も22%と多く、昨年秋の長雨や低温などの天候不順で生鮮野菜の価格が上昇したことで利用が進んだとみられる。