社会・経済ニュース
2018年11月06日号
外国人労働者の受け入れ拡大を図るための在留資格を新設するための入管法改正案が11月2日の閣議で決定された。深刻な我が国での人手不足が背景にあり、これまで高度な専門人材に限定されていた政策を180度転換し、単純労働分野での就労を可能にするもので、政府は農業などの14業種で約4万人の受け入れを想定している。来年4月1日の施行を目指し、臨時国会の会期末の12月10日までに改正案の成立を図るとしている。
公社・全国求人情報協会の調査によると、大学を卒業して就職後3年未満で転職した人が仕事を辞めた理由のトップは「仕事内容への不満」(51.5%)で、「人間関係の不満」(40.9%)が続いていることが分かった。転職した人の70.7%が満足している。転職後の賃金は、「1割以上増加」した人が29.1%だったが、45.6%の人は「1割以上減少」していた。さらに、32.3%の人が以前より規模の小さい企業に転職している実態も明らかになった。
米商務省は9月の貿易収支が前月比1.3%増の540億1900万ドルの赤字となり、7カ月ぶりの高水準になったと発表した。貿易赤字は4カ月連続で拡大しており、とくに対中国貿易赤字は同4.3%増の402億4300万ドルとなり、過去最高となった。米政権が保護主義的な通商政策を進めているものの、貿易赤字が拡大している背景には、国内需要が堅調で輸入額が過去最高水準で推移していることが指摘されている。
閣議決定された「2018年版過労死等防止白書」によると、全国の国公私立の小・中・高など教職員約3万5千人を対象にした調査で、80.7%が「業務に関連するストレスや悩みを抱えている」ことが明らかになった。ストレスや悩みの内容を尋ねたところ(複数回答)、「長時間勤務の多さ」(43.4%)が最多で、「職場の人間関係」(40.2%)、「保護者・PTAへの対応」(38.3%)が続いた。
厚生労働省は高齢者が医薬品の多剤服用(ポリファマシー)によって健康被害を受ける問題があるとして、減薬を含めた医薬品の処方を見直すよう医療機関に求める方針を決めたことが明らかになった。ポリファマシーによって高齢者に、ふらつき、記憶障害、抑鬱、食欲低下、便秘、排尿障害などの「老年症候群」を引き起こす可能性が指摘されている。また、高齢者が医薬品の数が多いことで飲み忘れてしまうことも指摘されており、医療費抑制にもなるとの考えも背景にはある。
財務省が全国1277社を対象に、AI(人工知能)やロボットなどの先端技術の活用状況を調査したところ、インターネット上で情報を共有する「クラウド」が企業の39.2%が活用しているのが最多だった。次いで、企業が活用する先端技術は、「ロボット」(37.1%)、「IoT(モノのインターネット)」(23.1%)、「ビッグデータ」(19.6%)、「AI(人工知能)」(10.9%)が続いた。これらの先端技術を導入した企業の94%が「成果があった」としている。
世界保健機関(WHO)の報告書によると、大気汚染を原因とする呼吸器疾患で2016年に死亡した15歳未満の子供は推計で約60万人に上ることが明らかになった。WHOは大気汚染による2016年の死者数は推計約700万人に上るとしており、子供が全体の9%を占めている。報告書では、人口が急増しているアジア・アフリカ地域で微小粒子状物質「PM2.5」などによる大気汚染が深刻化しており、「化石燃料への依存脱却など早急な対策が必要だ」と指摘している。
国立がんセンターなどの研究グループはサバなどの青魚に多く含まれているオメガ3系脂肪酸を摂取することで不安症状が軽減されると発表した。研究グループが公表された研究論文から不安症状を抱える健常人や精神疾患・身体疾患の患者を対象に、オメガ3系脂肪酸の抗不安効果を評価した臨床研究を分析したもの。解析した結果、オメガ3系脂肪酸を摂取していた人は、摂取していない人に比べて不安症状が和らいだ。抗不安効果は少なくとも2000ミリグラム以上を摂取した場合に認められた。