社会・経済ニュース
2018年11月20日号
7〜9月期GDP、年1.2%減
内閣府は2018年7〜9月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比0.3%減となり、年率換算で1.2%減だったと発表した。2四半期ぶりにマイナス成長に転じた背景ついて内閣府は、西日本豪雨や北海道での地震といった自然災害で個人消費が伸びなかったことに加え、輸出が伸びを欠いたことが主因としている。内訳をみると、個人消費が前期比0.1%減、輸出が1.8%減、設備投資が0.2%減となっている。米中貿易摩擦の影響で世界経済への懸念もあり、先行きは不透明感がある。

66歳以上でも働ける企業は27%
厚生労働省が従業員31人以上の企業約16万社を対象にした調査結果によると、希望者の継続雇用が義務付けられている65歳を超えて66歳以上でも働ける制度を設けている企業は27.6%だったことが分かった。66歳以上が働ける制度を設けている企業は、従業員が300人以下の中小企業が28.2%、301人以上の大企業では21.8%だった。政府が70歳まで働ける環境整備を模索している中で、同省が初めて66歳以上が働ける制度の有無を調査した。

就労外国人、5年間で最大34万人超
政府は外国人労働者受け入れ拡大にあたって、業種別受け入れ見込み数は5年間で最大34万5150人に上ると発表した。また、政府は同時に、5年後には人手不足の見込み数は145万5千人に達するとの推計も発表した。各業種の所管省庁から報告された人手不足見込み数から国内労働力で補える人を差し引いて、外国人労働者受入数をまとめた。5年間の受入見込み数を業種別にみると、介護業(最大6万人)が最も多く、外食業(同5万3千人)、建設業(同4万人)、農業(同3万6500人)が続いた。

京大、iPSから対がん免疫細胞を作製
京大などの研究グループは人のiPS細胞から、がんへの攻撃力を高めた免疫細胞「キラーT細胞」を作製したことを発表した。研究グループは京大iPS細胞研究所が保管しているiPS細胞から短期間でキラーT細胞の基となる細胞の状態に変化させて増殖させ、さらにステロイドホルモンなどを加え培養し、がんを攻撃するキラーT細胞を作製させた。人のがんを再現したマウスに注射投与したところ、何もしない場合と比べ、がんの増殖を3〜4割に抑制したとしている。

上場の地方銀行の中間決算、7割が減益
三菱モルガン・スタンレー証券が東京証券取引所に上場する地方銀行80社の中間決算を集計したところ、全体の約7割に当たる55社が減益になっていることが分かった。減益となった地方銀行は前年同期の約6割から拡大するとともに、純利益の合計も前年同期比11.8%減の4793億円となった。人口減少に伴い地域経済の低迷が次第に深刻さを増し、経営悪化に歯止めがかからない状況にあり、同証券では「各行は細る収益に経費削減が追い付いていない」と指摘している。

働く母親の3人に2人が待遇等に疑問
育児情報サイトを運営する「コネヒト」が妊娠中または子どもが1人以上いる女性を対象にした調査によると、今後働きたい気持ちがあるかと尋ねたところ、89.3%の人が「そう思う」と答えていることが分かった。また、現在の職場、業務内容、待遇などに関して気になる点はあるかを尋ねたところ、「ある」「どちらかといえばある」を合せると65.5%に上り、3人に2人が「待遇等に疑問」を抱いていた。具体的な疑問の内容では「昇進や昇給を期待しにくい」が最も多かった。

金密輸の処分件数、過去最高
財務省の発表によると、2017年7月〜2018年6月の事務年度に、金密輸の処分件数が前年度比1.5倍の720件に上るとともに、脱税額が同1.7倍の15億円だったことが分かった。件数、金額とも過去最高を記録しており、2019年10月の消費税率引き上げ後、さらに増加する危惧が出ている。金密輸が増加している背景には、海外から無税の金地金を持ち込み、国内で消費税分を上乗せすることで不正に利益を得ていることが指摘されている。

「分らない葬儀マナーはない」は2割止まり
仏事関連総合サービスの大野屋が全国の20〜70歳までの男女を対象に葬儀マナーに関する調査を行ったところ、「分らない葬儀マナーはない」とする葬儀マナー自信派は19%にとどまることが分かった。自信がない葬儀マナーは(複数回答)、「お悔やみの挨拶」(17%)が最も多く、「香典」(16%)、「焼香の仕方」(12%)が続いた。また、喪服や黒ネクタイ、葬儀用靴、バッグを尋ねたところ、「全て揃えている」が36%、「部分的に持っている」が33%だった。