社会・経済ニュース
2019年02月12日号
財務省は、2018年12月末時点での国債や借入金などの「国の借金」は1100兆5266億円に上り、過去最高を更新したと発表した。前回発表の昨年9月末時点から3カ月間で8兆7581億円増加しており、このうち国債が7兆7979億円を占めており、借金頼みの我が国の財政実情にあることを改めて浮き彫りにしている。国民1人当たりの借金は、前回から7万円増加の約855万円となる。
共同通信が総務省の人口移動報告を基にした調べによると、2018年に外国人の転入者が転出者を上回る「転入超過」となった自治体は29道府県だったことが分かった。外国人の転入超過数で最も多かったのは埼玉(7616人)で、神奈川、群馬、北海道、静岡が続いた。他方、転出超過で最も多かったのは、千葉(5035人)で、福岡、茨城、東京が続いた。人手不足で求人が多く、就労条件がよく、家賃が安い地域へ移動している状況が外国人の人口流動化の背景にあるとみられている。
財務省は2018年の国際収支速報で、外国人が日本で使った金額から日本人が海外で支払った額を差し引いた「旅行収支」が過去最高となる2兆3139億円になったと発表した。旅行収支は、1996年以降は赤字が続いていたが、2015年に黒字に転じて以来ずっと黒字を続けてきている。訪日外国人旅行客は依然増え続けており、さらに旅行収支の黒字が続くとみられる一方で、エコノミストは米中貿易摩擦の激化で中国経済が減速するとの観測もあり、先行きには不透明感があるとみている。
警察庁のまとめによると、警察が認知した「刑法犯」は前年比10.7%減の81万7445件となり、4年連続で戦後最少を更新したことが分かった。認知件数の全体の7割以上を占める「窃盗」が前年比11.2%減の58万2217件、「器物損壊」は同15.5%減の7万8374件で、この2つで全体の減少分の約90%を占めた。「特殊詐欺」件数は減少したが、依然として最高水準にあり、また「サイバー犯罪」の検挙件数は過去最多の9046件で、警察庁は被害が拡大する危険性があるとみている。
農林水産省の発表によると、2018年の農林水産物・食品の輸出額は前年比12.4%増の9068億円となり、6年連続で過去最高を更新したことが明らかになった。和食ブームで日本産食品への需要が増したことに加え、環太平洋連携協定(TPP)の発効で農産物輸出は拡大基調が続くとみられている。品目別で輸出額が大きかったのは、サバの266億円で、牛肉(247億円)、日本酒(222億円)、リンゴ(139億円)が続いた。また、輸出先では、香港が首位の2115億円で、中国(1338億円)、米国(1177億円)が続いた。
資源エネルギー庁のまとめによると、全国のガソリンスタンド数は2017年度末で3万747カ所となり、ピークだった1994年度末(6万421カ所)の半分にまで減少していることが分かった。減少は23年連続で、背景には、エコカーの普及、若者の自動車離れ、高齢化に伴う運転者の減少、さらには乗用車保有率が低い都市中心部への人口集中が挙げられている。他方、東京商工リサーチの調査では2018年のガソリンスタンドの倒産件数も前年比25%増と5年ぶりに増加に転じ、さらに「休廃業・解散」も同36.5%増加している。
日本水道協会のまとめによると、2018年4月時点での家庭用で月10立方メートル当たりの平均水道料金は全国平均で1556円となっていることが分かった。都道府県での平均水道料金で最も高かったのは青森県の2157円で、最も安い神奈川県(898円)と比べ約2.4倍もの格差があった。青森県の水道料金が高い背景には、集落が点在し、浄水場などの水道施設の集約が難しいという地理的な弱点があると分析されている。進む少子化や過疎化で、水道料金の上昇は避けられない実情にある。
シニア女性誌のハルメクが50〜70代の中高年女性を対象にした調査で、78.6%の人が「将来、親や夫の介護に不安を感じている」ことや、81.0%の人が「自分が介護されることに不安を感じている」ことが分かった。また、実際に親や配偶者の介護を経験している人は26.3%に上り、介護対象者(複数回答)は、「実母」(64.8%)が最多で、「実父」(36.2%)、「義母」(30.5%)、「義父」(19.0%)、「配偶者」(6.7%)が続いた。