社会・経済ニュース
2019年02月19日号
世界の自然災害での経済損失は25兆円
米保険関連企業のエーオンがまとめた報告書によると、2018年の自然災害による経済損失は世界で2250億ドル(約25兆円)に上ることが分かった。このうち95%超を占める2150億ドルは台風や洪水、干ばつなど異常気象を含む気象災害が原因だったと指摘している。地球温暖化によって気象災害が多発すると考えられており、報告書では「気象災害の損失額は増加傾向にあり、リスクが増え続けている」と警鐘を鳴らしている。

2036年の医師不足、最大で3.5万人
厚生労働省の集計によると、2036年時点での各都道府県で必要とされる医師数を推計した場合、最も医師の確保が進んだケースでは12道県で5323人の不足が見込まれ、最も医師の確保が進まなかったケースでは34道県での不足分を単純に積み上げると3万4911人になることが明らかになった。推計では、患者の年齢や性別による受診率、配置されている医師の性別や年齢、さらに将来の人口変化などを基礎に推計され、結果を基に医師確保策の議論を深めるとしている。

マイナンバーカード、健康保険証に
政府は、マイナンバーカードを健康保険証として使えることの内容を盛り込んだ健康保険法改正案を閣議決定した。2021年3月からの施行を目指すとしており、受診時の本人確認を厳格にするとともに、医療保険の不正利用を防ぐことなどを狙いにしている。具体的には、医療機関の窓口での専用機器で読み取ったカード所持者の健康保険証の情報が社会保険診療支払基金に送信され、医療機関が保険資格を確認する仕組みとなる。なお、これまでの健康保険証も使用できるとしている。

自動ブレーキの新車搭載を義務付け
国連欧州経済委員会は、日本や欧州連合(EU)など約40カ国・地域が、衝突を回避する「自動ブレーキ」を新車に搭載することを義務付ける国際基準案で合意したと発表した。合意した基準案は、新車の乗用車や軽自動車、小型商用車が対象となり、2020年の年初から発効となる見通しである。車の技術に関する国際協定に加盟する日本やEUなどで適用されるが、米国や中国などは協定に加わっていないため、対象外となる。日本で年間400万台以上に搭載される見通しである。

4〜12月期、8割超の地銀で減益・赤字
三菱モルガン・スタンレー証券が東京証券取引所などに上場する地方銀行79社の2018年4〜12月期決算状況を集計したところ、65社が減益または赤字に陥っていることが分かった。背景には、多くの地銀が株式や外債運用を行っており、株安や米金利の上昇が直撃したため、損失を計上した実態がある。また、人口減少や高齢化の進展で、地方経済は疲弊が進んでおり、地銀経営は厳しい環境にあり、人件費や支店の削減などの合理化が加速しそうだ。

10連休GWでの海外旅行に予約殺到
今年のゴールデンウィーク(GW)が10連休となるのを受け、大手旅行会社への海外旅行の予約が殺到している状況にある。この期間中での予約には、JTBが1月下旬時点で前年比2.5倍、HISが1月中旬時点で同3倍、日本旅行が1月下旬時点で同3.6倍もの海外旅行の予約を受け付けた。短期休暇で敬遠されがちな欧米などの遠隔地の予約が増えていることや、ファミリー層の予約が顕著に増えており、人気ツアーは「追加募集してもすぐに枠が埋まる状況」(HIS)にある。

ロシアの若者の4割超が「移住希望」
ロシア独立系世論調査機関であるレバダ・センターの調査によると、「他国の永住権を得て移住したいか」という尋ねに対し、18〜24歳の回答者の41%が「思う」と答えていることが分かった。ロシアは5年連続で国民の実質所得が減少し、国営部門の肥大化といった経済の構造問題、さらに政権がネット統制や通信監視を強化としていることなどが若者の閉塞感を強めていることが背景にあると同社では分析している。ただ、一方では「移住したと思わない」が全体の82%を占めており、若者の移住希望が突出した結果となっている。

滋賀大のベンチャー、毛髪でストレス判定
滋賀大が認定した初のベンチャー企業「イヴケア」は、ストレスを受けた際に体内で増えるストレスホルモンが毛髪に蓄積する性質に着目し、毛髪から慢性的なストレスを評価し、カウンセリングや心理教育のアフターケアを展開するとしている。役員には、社長に23歳の大学院教育学研究科修士1年の五十棲氏が就くとともに、取締役には3人の教授が就いた。毛髪10本程度を検体とし、検査手数料は3千円〜5千円を想定している。滋賀大から資金援助はないが、施設や研究設備を自由に利用できる。