社会・経済ニュース
2019年03月12日号
米商務省は2018年の貿易収支はモノの貿易赤字の総額が8787億ドル(約98兆円)となり、過去最大を更新したと発表した。貿易赤字の相手国別では、中国が最も多く、メキシコ、ドイツが続き、4位となった日本に対する赤字額は673億3千万ドル(約7兆6千億円)だった。昨年、中国からの輸入品に対して、追加関税を相次いで課す対応をしたが、依然、貿易赤字は拡大し続けている。日本に対する貿易赤字削減に向けた圧力が高まる懸念がある。
ジュネーブに本部のある列国議会同盟がまとめた報告書によると、2018年の各国議会の女性議員割合の国別順位で日本は193カ国の中で、165位にあることが分かった。中国やロシアを加えた20カ国・地域(G20)の中でも日本は最下位だった。世界全体の女性議員が占める割合の平均は24.3%となっている。国別首位はアフリカのルワンダで、キューバ、ボリビア、メキシコが続き、中南米の国が目立っている。
内閣府は1月の景気動向指数の速報値発表で、「下方への局面変化」との基調判断を示した。景気が既に後退期に入った可能性が高いとの見解を示したもので、これまで景気拡大期が1月で「戦後最長の6年2カ月に達した」との暫定的な見解を示してきたことから一転した形となる。昨秋から中国での景気減速を背景に、半導体や産業機械を中心に対中輸出が鈍化してきており、今後、追加関税の報復応酬が続く米中貿易摩擦の激化によっては日本経済の停滞を招きかねない。
警察庁の集計によると、2018年に全国の警察が摘発したサイバー犯罪は9040件に上り、過去最多を更新したことが分かった。摘発の内訳をみると、児童買春・ポルノ禁止法違反が最多の2057件で、詐欺(972件)、青少年保護育成条例違反(926件)が続いた。また、不正アクセス禁止法違反の摘発は564件で、このうち大半を占める502件がID・パスワードを盗み取る手口だった。警察庁では、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、サイバー攻撃対策の推進を重視している。
内閣府の調査によると、昨年4月1日現在の都道府県庁での課長級以上の女性管理職は9.7%にとどまり、政府が2020年までに3割にするとした目標には大きく届いていないことが分かった。管理職への女性登用を役職別にみると、係長級が22.6%、課長補佐級が19.0%、課長級が10.5%、部局長・次長級が6.4%で、上位になるほど女性の登用は低くなる傾向がみられた。課長級以上の登用実績が最も高かったのは鳥取県の20.0%で、逆に最も低かったのは広島県の5.4%で格差がみられた。
消費者庁が東京福島第1原発事故を受けて実施している「食品の放射性物質に関する意識調査」によると、福島県産食品の購入を「ためらう」と答えた人の割合が12.5%だったことが分かった。意識調査は2013年2月以降、東日本大震災の被災地や大都市圏で12回続けられており、これまでのうち「ためらう」と答えた人の割合は最少を更新した。ただ、食品中の放射性物質について「検査が行われていることは知らない」と答えた人の割合は過去最高の44.8%に上った。
政府は4月1日から預入限度額を現行の1300万円から倍増の2600万円に引き上げ実施を図る政令改正案を閣議決定した。現行では、通常貯金と定期性貯金を合わせて1300万円としているが、改正によりそれぞれの限度額が1300万円にすることで、最大限度額が2600万円となる。限度額の引き上げは2016年4月に1千万円から1300万円に引き上げられており、3年ぶりの改正となる。
SMBCコンシューマーファイナンスが発表した30〜40代の金銭感覚調査によると、貯蓄額の平均は30代が194万円、40代が196万円と、いずれも200万円弱にとどまることが分かった。「貯蓄額がゼロ」と答えた人も前年比6ポイント増の23.1%もあった。同社では「景気回復が働き盛りの賃金上昇につながっていない」と分析している。消費に向き合う姿勢では「無理せず変える範囲で買う」とする堅実姿勢がみられた。