社会・経済ニュース
2019年03月19日号
米政権が公表した予算調書によると、米政府債務残高は2020年末に24兆円ドル(約2600兆円)を突破するとの見通しとなった。背景には、慢性的な財政赤字によって穴埋め財源としての大量の国債発行に頼らざるを得ない状況にあり、日本の財政構造と共通している実態にある。財政赤字の拡大によって、国際の信認が揺らぐことになれば、国債が売られて金利が上昇し、利払い費が膨らみ、一段と財政状況は悪化しかねない危惧がある。
国際エネルギー機関(IEA)が発表した2021年までの石油市場見通しの報告書によると、米国が新型原油シェールオイルの生産を拡大し、「世界の石油生産をけん引」し、「世界市場の急速な変化の引き金になる」と指摘していることが分かった。米国は2024年までに日量400万バーレル程度増やして原油などの輸出も伸ばし、2023年にはロシアを抜き、世界最大の輸出国であるサウジアラビアに迫るとしている。
財務省と内閣府は1〜3月の法人企業景況予測調査で、大企業の全産業の景況判断指数(BSI)はマイナス1.7となったと発表した。3四半期ぶりに「下降」が「上昇」を上回ったもので、背景には中国での経済減速により、大企業の製造業を中心に受注が減少していることが挙げられている。大企業全産業での今後の見通しについては、4〜6月期がマイナス0.3、7〜9月期がプラス5.7と予測されており、財務省では「景気は緩やかに回復している」としている。
内閣府が2022年4月から開始される成人年齢を18歳に引き下げられることに関する世論調査を行ったところ、16〜22歳の世代で、悪質商法などの被害に遭うかもしれないとの不安を「感じる」「どちらかといえば感じる」と答えたのは64.2%に上ることが分かった。不安に感じる理由(複数回答)では、「どのような被害に遭うか分らない」が最多の59.4%で、「契約や取引に関する法律や制度を知らない」(58.9%)、「被害にあった時の対処法が分からない」(45.3%)が続いた。
与野党8党による超党派議連が今国会へ提出した「食品ロス削減推進法案」が成立する見通しとなった。法案は、日本で大量廃棄される食品を減らすことを狙いとしたもので、賞味期限内の食品を企業から譲り受け、福祉施設や困窮者などに届ける「フードバンク」活動への支援を義務付ける内容となっている。日本での食品ロスは年間約646トンにも及び、1人当たり換算で51キログラムにも達している。輸入依存で食料を確保している日本で、食べ物を無駄にしない意識の醸成も図る狙いもある。
米国の研究グループが平均年齢51歳の男性約3万人を1986年から長期にわたって追跡した調査で、野菜や果物、オレンジジュースの長期的な摂取が晩年の主観的な認知機能(物忘れなどの症状を自覚している状態)の維持に効果を発揮すると発表した。野菜などの摂取と将来の主観的認知機能の維持との関連を調べたもの。例えば、オレンジジュースを毎日飲む人は月に1杯も飲まない人よりも主観的認知機能が不良となるリスクは47%低くなっている。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)がまとめた2014〜18年における「世界の武器取引に関する報告書」によると、世界最大の武器輸出国である米国の輸出量のシェアは36%となることが分かった。米国に次いで武器輸出国は、ロシア、フランス、ドイツ、中国が続き、これら5カ国での武器輸出量は世界全体の75%を占めている。逆に、世界最大の武器輸入国はサウジアラビアで、中東諸国向けが世界全体の武器輸入の35%を占めている。
PGF生命が20〜79歳の男女を対象にした人生の満足度調査で、「これまでの人生に満足している」と答えた人は44.8%と半分以下にとどまり、「満足していない」が26.8%、「どちらとも言えない」が28.6%だった。人生の円熟期にある60〜70代の男女ともに「不満足」が18.5%で人生に満足していない姿勢がみられた。恋人や配偶者などのパートナーがいる人に相手への満足度を尋ねたところ、「満足」とする60〜70代の男性は79.5%だったが、同世代の女性は53.2%にとどまり、シニア世代での男女格差がみられた。