社会・経済ニュース
2019年03月26日号
政府は3月の月例経済報告で景気の総括判断で3年ぶりに「引下げる」発表を行った。月例報告では、「このところ輸出や生産の一部に弱さもみられるが、緩やかに回復している」とした。基調は維持しているとの認識も示している背景には、個人消費や設備投資が堅調であるとの認識があり、景気後退局面入りは否定した。政府は1月に「景気拡大期が戦後最長を更新した」との暫定的な見解を表明したばかりだが、米中貿易摩擦などの不安要因もあり、依然、景気の先行きは不透明な状況にある。
国連の関連団体である「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク」が発表した今年の世界幸福度報告によると、日本の幸福度は世界156カ国・地域の中で58位となり、過去最低となった。日本の幸福度は4年連続で50位台となる。幸福度報告は米ギャラップ社の世論調査をもとに、健康寿命や寛容さなどの6項目を分析したもの。日本は健康寿命や1人当たりのGDPは上位にあったものの、人生選択の自由度(64位)、寛容さ(92位)で低い評価となった。
民間シンクタンクである日本経済研究センターは、東京電力福島第一原発の事故処理費用を試算した結果、総額で35兆〜81兆円になるとの結果を公表した。2016年に経済産業省が公表した22兆円を大きく上回る試算結果となっている。試算は、溶け落ちた核燃料(デブリ)や汚染水の扱いをどうするかによって3通りの金額を算出したもの。最大となる81兆円の内訳では、デブリ取り出しを含めた廃炉・汚染水処理に51兆円、賠償に10兆円、除染に20兆円が必要だとしている。
法務省の発表によると、2018年末時点での在留外国人数は273万1093人に上ることが分かった。前年比6.6%増加し、過去最多を更新した。在留外国人を資格別にみると、最多は永住者の77万1568人で前期比3.0%増加し、留学が同8.2%増の33万7千人、技能実習が同19.7%増の32万8360人となっている。また、今年1月1日時点での不法残留者数は前年同期比11.5%増の7万4167人だった。
時事通信が行った「生活のゆとりに関する世論調査」によると、生活にゆとりを「感じてない」人の割合は58.5%に上り、前年調査より3.0ポイント増えていることが分かった。また、消費税率引き上げに伴い家計の支出を見直すかとの問いでは、57.2%が「見直す」と答えた。見直すとする具体的な内容を聞いたところ(複数回答)、「食費」が最多の59.4%で、「外食、旅行などの娯楽費」(39.5%)、「水道光熱費」(37.6%)、「携帯電話やインターネットなどの通信費」(31.2%)が続いた。
厚生労働省の2017年人口動態統計で、日本人の10〜14歳の死因が戦後初めて「自殺」が1位になっていることが分かった。同年代での死因で「自殺」が占めた割合は22.9%で、次いで、「がん」(22.7%)、「不慮の事故」(11.7%)が続いた。日本人の自殺者数は2003年の3万2千人をピークに減少し続けてきているが、10代だけは横ばい状態が続いており、若者に絞った自殺予防対策が課題となってきている。
独立行政法人造幣局は「平成31年」と刻印された硬貨6種類をまとめたプルーフ貨幣セットを当初予定の3万組から2倍となる6万組を製造すると発表した。造幣局が1月10日〜30日まで申し込みを受け付けていたが、「平成最後の記念したい」との声が多く、全国から21万組分の申し込みが殺到し、これに応えるために追加製造を決定した。6万組の貨幣セットの抽選会が行われ、当選者には当選通知とともに、代金の払い込み用紙を送付する予定となっている。
東京大と米カリフォルニア工科大などの研究チームは、人間に地球の磁気を感じる能力が備わっていることを発見したと発表した。地磁気を遮断した室内で、18〜68歳の男女34人の頭部を地磁気と同程度の強さの磁気で刺激する実験を行ったところ、磁気の向きに応じて無意識に脳波が異なる反応を示したことから、人間は地磁気を大まかに感じ取る能力があると結論付けた。人間には視覚、聴覚、触覚、味覚、臭覚の5感だけで、磁気を感じる力はないとされてきたが、発見された「第六感」ともいえる無意識の潜在的能力が備わっていることを明らかにしたともいえる。