社会・経済ニュース
2019年04月09日号
日銀が発表した3月の企業短期経済観測調査によると、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス12だったものの、前回調査(2018年12月期)から7ポイントもの大幅な下落となったことが明らかになった。2012年12月に9ポイント下落して以来の大幅な落ち込みとなった背景について、日銀は「海外経済の減速を受け、IT関連や自動車関連などで需要が減ったとの声が幅広く聞かれた」と説明している。大企業非製造業の景況感は3ポイント下落のプラス21となり、2期ぶりに悪化している。
日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の発表によると、2018年度の国内新車販売台数は前年度比1.2%増の525万9587台となったことが分かった。3年連続での増加で、好調な軽自動車が牽引する形で、軽自動車以外の自動車(登録者)は横ばいとなっている。軽自動車の販売台数は同3.4%増の192万2979台で、登録車は前年度より約1600台少ない333万6590台だった。好調な軽自動車の販売だが、全国軽自動車協会連合会では2019年度の販売は前年度比3.3%減の186万台と予測している。
総務省は消費税率が8%から10%に消費税率が引き上がることを受け、10月1日から郵便料金を値上げする方針である。手紙は82円から84円に、はがきは62円から63円にするとし、増税分はそのまま郵便料金を引き上げることになる。郵便料金については総務省令で上限が82円と定められており、今後、国民からの意見募集を経て、夏までに省令を改正する。郵便料金が値上げとなれば、手紙が5年半ぶり、はがきが2年4か月ぶりとなる。
警察庁のまとめによると、2018年に運転免許証を自主返納した75歳以上の高齢者の人は過去最多の29万2089人だったことが分かった。前年より約3万8千人増えており、背景には高齢者運転による事故が相次いで発生していることから、自発的に免許証の返納を決意したものとみられる。警察庁では、高齢者の事故対策として、自動ブレーキ搭載車などに限定して運転を認める、条件付き免許証の交付の導入などを検討している。
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事がワシントンで行われた講演の中で、「世界経済の成長の勢いがさらに失われた」として、近く発表される今年の世界経済の成長率見通しを引き下げる見通しにあることを示唆した。また、講演では、「米中貿易戦争のエスカレートなど、政策ミスを避ける」ようにと警告を発するとともに、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱も含め、「世界経済は細心の注意を要する局面だ」と指摘した。
世界食糧計画(WFP)がまとめた報告書によると、2018年に世界53カ国・地域で紛争や干ばつなどにより1億1300万人が食料不足で飢餓状態に陥ったことが分かった。3年連続で1億人が飢餓に陥ったことになる。飢餓に陥る要因順では、内線や紛争が最も多い約7400万人で、自然災害が約2900万人、次いで、インフレーションなどの経済要因による約1020万人が続いた。WFPは「国際社会が紛争や気候変動など根本的な原因と闘わなければならない」と指摘した。
東京商工リサーチのまとめによると、2018年4月から2019年3月までの1年間での「人手不足」関連倒産は過去最多となる400件に達したことが分かった。内訳をみると、代表者や幹部社員の死亡、病気入院、引退などの「後継者難」型が269件、人手確保が困難で事業継続に支障が生じた「求人難」型が76件、賃金等の人件費コストアップにより収益が悪化した「人件費高騰」型が30件、中核社員の独立や転職などで事業計測に支障が生じた「従業員退職」型が25件で続いた。
全国漁業組合連合会によると、今年度の海苔共販(2018年11月〜2019年4月)での3月末時点での共販枚数は前年比15%減の約58億5千枚となり、1972年以来46年ぶりに大凶作となる見通しにあることが明らかになった。凶作となる背景には、暖冬による高水温と栄養不足の環境にあるとされている。国内の海苔需要は約80億枚(2017年食品新聞推計)には届かず、韓国や中国から、既に約30億枚の輸入で補っている状況にある。