社会・経済ニュース
2019年08月27日号
中国政府は対米制裁の第4弾として、米国からの輸入品約750億ドル(約8兆円)分に対し、最大で10%の追加関税を9月から順次課すことを発表した。また、12月15日からは化学製品や木材などにも最大10%の追加関税を発動するとともに、米国車への追加関税の停止措置を取りやめて25%の報復関税を課すとしている。これに対し、トランプ米大統領は中国からの輸入品2500億ドル(約26兆円)に対し、10月1日から25%から30%に引き上げるとツイッターで発表した。
経済産業省は今年10月からの消費税増税に伴って実施されるキャッシュレス決済のポイント還元制度に登録申請した中小事業者は8月21日時点で約43万2千店になったと発表した。このうち、審査を通過し登録済みの加盟店は約18万8千店となり、今後、10月までに体制を強化して審査手続きを加速する考えである。申請した店舗の内訳をみると、小売業が約62%、飲食業が約15%、その他サービス業が約24%となっている。
国際決済銀行(BIS)の調べによると、世界全体の金融機関を除く事業会社や家計、政府部門の債務残高の合計が2018年に180兆ドル(約1京9千兆円)に達していることが分かった。世界的な金融緩和の長期化により、大量の資金が市場の供給されたことで、借り手である事業会社や家計、政府部門での債務が拡大してものとみられ、リーマン・ショック前の2007年から1.6倍にまで膨らんだ。とくに、中国をはじめとする新興国の債務は2007年時から約3倍にまで膨らんでいる。
内閣府の試算によると、自営業で雇い人がなく、実店舗を持たずに様々な発注者から仕事を請け負って働く、いわゆるフリーランスで働く人は、306万人〜341万人に上ることが分かった。就業者全体約6600万人の5%程度だが、内閣府ではITの進展や企業による副業・兼業の容認でフリーランスは増える可能性があるとしている。フリーランスが多い業種は、建設(19.1%)が最も多く、「卸・小売」(10.7%)、「学術研究、専門・技術サービス」(9.8%)、「情報通信」(9.3%)が続いた。
政府は国・地方の全ての公務員に2019年度末までにマイナンバーカードを取得することを義務化することとした。マイナンバーカードは2021年3月に健康保険証としての本格運用を計画しており、これに先立ち、国民からの申請増加を前に公務員が取得促進を図る狙いがある。また、カードは内蔵したICチップによる本人確認が可能で、全ての公務員の身分証としての活用拡大の狙いがある。カードの交付枚数は8月初め時点で、1755万枚、人口比で13.8%と低くなっている。
明治安田総合研究所が55〜79歳の男女を対象に行った調査によると、認知症ではない高齢の親の預貯金などの財産管理に77.5%が関わっていないことが分かった。また、親の財産管理や管理の支援をしている人に、管理に携わった動機を尋ねたところ(複数回答)、「入院・介護施設への入所」(34.4%)が最も多く、「現金自動預払機(ATM)の操作や利用に支障」(26.5%)、「金融機関などの窓口で説明や理解に支障」(15.1%)などが挙げられた。
厚生労働省は2018年の労働安全衛生調査で、職場で受動喫煙の被害に遭っている労働者の割合が前年比8.4ポイント減の28.9%だったと発表した。初めて3割を割込む実態となった背景には、受動喫煙防止対策に取り組む事業所が過去最高の88.5%にまで増えたことが挙げられている。事業所での防止対策では、「建物内全体を禁煙とし、屋外のみを喫煙可能とする」対応を講ずる向きが最も多かった。2020年4月施行の改正健康増進法を前に対策が進展していることを浮き彫りにしている。
シニア人材派遣・紹介業のマイスター60が全国の50代男性会社員と同世代の夫と同居する妻を対象にした調査で、自身や配偶者の年金支給額と支給時期を「しっかりと把握できている」人は10.3%だったことが分かった。最も多かったのは「一部把握できている」(43.0%)で、殆どや全く「把握できていない」人も46.7%に上った。また、「定年後の金銭面の不安」について、「とても感じる」(40.4%)、「どちらかと言うと感じる」(45.4%)で、9割近くが不安を感じていた。