社会・経済ニュース
2019年09月03日号
厚生労働省が発表した公的年金の長期的な給付水準の財政検証結果によると、標準的なケースで約30年後にモデル世帯の年金の実質的価値は現在の65歳と比べ2割近く目減りすることが明らかになった。検証結果では、実質経済成長率の見通しに応じた6つのケースを提示している。現役世代の平均手取り収入に対する年金受給額の割合である「所得代替率」は、現在の61.7%から50.8%で下げ止まることになる。政府が掲げる「所得代替率50%維持」のためには経済成長が見込めることが前提となる。
内閣府が18歳以上の男女を対象にした「国民生活に関する世論調査」によると、今後の生活で力を入れたい点は(複数回答)、「健康」が最多の66.5%に上ることが分かった。次いで、「資産・貯蓄」(30.9%)、「レジャー・余暇生活」(28.0%)、「所得・収入」(27.1%)が続いた。また、日常生活に「悩みや不安を感じる」人は63.2%で、具体的な内容では(複数回答)、「老後の生活設計」(56.7%)や「自分の健康」(54.2%)が上位を占めた。
財務省が締め切った2020年度予算編成での各省庁からの概算要求総額は105兆円規模に上ることが明らかになった。年金や医療などの社会保障費や防衛費が最高額に上ったことに加え、災害対策費といった重点施策もあって膨らんでいる情勢にある。要求額が100兆円の大台を超えるのは6年連続となっており、次年度予算額が本年度予算額の101兆円を超えるかどうかが12月に予算編成される中で、今後の焦点となってくる。
厚生労働省は今年6月1日時点で、全35行政機関のうち、防衛省など13機関が法定雇用率(2.5%)を未達成であると発表した。また、同省は昨年8月に発覚した障害者の雇用水増しのあった28行政機関が昨年10月以降に採用した161人が6月1日までの8カ月間に離職したと発表した。離職した理由を調べたところ、「体調悪化」が最多の31.7%で、転居などの「本人都合」(26.1%)、契約期間満了を含む「その他」(22.4%)が続いた。政府は年末まで雇用率達成を目指すとしている。
大阪大学の眼科学チームが人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した角膜組織を殆んど目が見えない重度疾患の40代女性患者の移植する臨床研究を世界で初めて移植したことを発表した。移植後は、眼鏡を使用すれば、日常生活に支障がないほどに回復するとともに、拒絶反応も見られず、成功したことを物語っている。同チームでは、今回の手法を5年後をめどに実用化し、角膜提供を求める患者への治療法にしたいとしている。
調査会社のマクロミルが運転経験のある55歳以上の男女を対象にした調査で、「運転にどの程度自信があるか」を尋ねたところ、65歳以上の人の4.0%が「とてもある」と答え、56.6%が「ある」と合せ6割以上が運転に自信があるとしていることが分かった。他方、55〜64歳で「自信がある」と答えた人は52.7%にとどまり、65歳以上の高齢者の方が車の運転に自信があると自負している傾向がみられた。
農林水産省がまとめた「2018年漁業センサス」によると、漁業就業者数は15万2082人で、1963年以降で最も少ない実態にあることが分かった。前回調査の5年前と比べ16.0%も大きく減少している。同省では、少子化などの影響もあり、後継者がいないまま高齢化が進み、廃業しているケースが増えているとみている。就業者を年齢別にみると、65歳以上が5年前より3.1ポイント増の38.3%を占め、高齢化の進展を浮き彫りにしている。
文部科学省の「21世紀出生児縦断調査」によると、2001年に生まれた高校2年生に宿題をのぞく学校外での勉強時間を尋ねたところ、勉強時間がゼロとした生徒は、平日が29.5%、休日が29.9%と、3割近くに上ることが分かった。46.7%に上った。また、スマートフォンやタブレット、パソコンを使う時間を尋ねたところ、平日に44.5%が3時間以上で、休日では66.8%に上り、6時間以上も平日で8.6%、休日で19.6%もいた。