社会・経済ニュース
2019年09月10日号
厚生労働省が発表した世帯ごとの所得格差に関する調査結果によると、1981年調査開始以来、36年ぶりに改善したものの、依然、最悪水準にあることが分かった。格差を示す指標は「ジニ係数」と呼ばれ、0〜1の間で1に近いほど格差が大きいことを示すもので、税金の支払いや公的年金などの社会保障給付を含まない「当初所得」のジニ係数は0.5594で、前回調査の2014年から0.0110ポイント下がり、わずかに改善したものの、依然、最悪水準にある。
全国健康保険協会(協会けんぽ)が実施した都道府県別調査で、2017年度に風邪で受診した患者に抗生物質(抗菌薬)が処方された割合は全国平均で35.9%だったことが分かった。処方割合での地域間格差もみられ、最高が奈良県の48.9%で、最低は福井県の26.6%だった。協会けんぽによると、多くの風邪に抗菌薬は有効ではなく、必要のない患者への投与は抗菌薬が効きにくい「薬剤耐性菌」の発生を招くだけでなく、医療費の抑制にもつながることだと指摘した。
韓国輸入自動車協会のまとめによると、8月に新規登録された日本車は1398台となり、前年同月比57%減少していることが明らかになった。また、外国車に占める日本車の割合も前年同月の17%から8%へと急落した。日本政府が7月に半導体材料3品目の輸出規制を強化したことから、自動車をはじめビールや衣料品などの幅広い分野で不買運動が影響したことにより、日本製品の売り上げが激減している。
国連児童基金(ユニセフ)が発表した報告書によると、世界30カ国の13〜24歳の若者約17万人の36%がインターネットを通じた「いじめ」を経験したことがあることが分かった。「いじめ」により、学校を休んだ経験がある若者は19%に上り、ネットによる「いじめ」は世界的な潮流にある。ネットいじめを止める責任の所在については、32%が政府だとし、31%が若者自身、29%がプロバイダーだと若者は答えている。
財務省の2019年4〜6月期の法人統計によると、製造業の設備投資が前年同期比6.9%減の3兆6156億円となったことが分かった。全産業での設備投資は1.9%増となっており、製造業での落ち込みが大きい。経常利益も27.9%減の7兆5542億円となり、4四半期連続でマイナスとなっている。背景には、米中貿易摩擦の激化が挙げられており、報復関税の応酬などで対立が長期化すれば、一段と業績悪化へとつながりかねない。
英紙エコノミストが発表した2019年版世界で最も住みやすい都市ランキングによると、首位はウィーン(オーストリア)で、日本からは大阪が4位、東京が7位でランクインした。調査は、世界の主要都市140都市を対象にしたもので、日本は質の高い教育や公共医療システム、治安の良さ、道路や鉄道などのインフラが高い評価を得たものの、文化活動や環境保護の取組みでの評価が低かった。また、同紙が8月に発表した世界で最も安全な都市ランキングでは、東京が首位で、大阪が3位に選ばれている。
民間資格の「防災士」を認証するNPO法人日本防災士機構によると、今年8月末時点での登録者数は17万7269人に上ることが分かった。2011年東日本大震災発生後の2012年度に1万人台に達し、以来、「災害が頻発し、地域防災の担い手としてのニーズの高まり」から急増してきている。防災士は地域の防災活動に参加・協力することに加え、学校などで避難所の設営訓練や図上訓練などを実施する際、自治体から委託されて派遣されるケースも増加している。
リクルートマネジメントソリューションズが2019年度入社の新社会人を対象に、「働く上で大切にしたいこと」を尋ねたところ(複数回答)、「必要なスキルや知識を身に付ける」が最多の43.8%だった。これに続き、「ルール・マナーを身に付ける」(42.2%)、「周囲と良好な関係を築く」(38.2%)が挙げられた。また、「これから身に付けたい、伸ばしたい力」では(複数回答)、「コミュニケーション力」(59.7%)、「専門知識」(35.6%)、「プレゼンテーション力」(30.3%)が続いた。