社会・経済ニュース
2019年10月08日号
世界貿易量の予測を大幅に下方修正
世界貿易機関(WTO)は世界貿易量予測について、4月発表時点から1.4ポイント減の1.2%増と大幅に下方修正した。また、2020年についても0.3ポイント減の2.7%増にとどまるとの見通しを示した。改定にあたっては、米中貿易摩擦による影響が長引く可能性があるとともに、英国による欧州連合(EU)離脱を巡っての混乱も指摘している。世界的な経済減速を招きかねない貿易の停滞で、WTOはさらに下方修正することも視野に入れている。

ポイント還元加盟店舗は約50万店に
経済産業省のまとめによると、10月1日から開始のキャッシュレス決済に伴うポイント還元策に加盟している店舗数は約50万店となった。9月25日時点での加盟店登録申請数は約73万店で、約23万店が申請診査中である。また、フジサンケイビジネスアイが地域ごとの加盟店数を人口1万人当たりで地域差を調べたところ、北陸地方が48.6店で最も多く、北海道(48.4店)、近畿(43.1店)、中国(41.3店)、九州(39.5店)が続いた。最も少なかったのは、北関東・甲信の32.0店だった。

景況感、3四半期連続で悪化
日銀の9月の企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は前回調査の6月調査より2ポイント下落のプラス5となり、3四半期連続で悪化していることが明らかになった。また、3か月後の先行き景況感は3ポイント下落のプラス2と見込んであり、大企業製造業で悪化が続くものとみている。背景には、米中貿易摩擦の長期化で、輸出が鈍っていることが挙げられている。大企業非製造業の景況感は2ポイント下落のプラス21で、中小企業の全産業の景況感は1ポイント下落のプラス5となっている。

全国の空き家は過去最多の848万戸
総務省が発表した2018年住宅・土地統計調査によると、昨年10月1日時点での全国の空き家は848万9千戸に上ることが分かった。過去最多となった空き家は住宅総数の13.6%を占める。内訳をみると、賃貸用が432万7千戸、売却用が29万3千戸、別荘などの二次集宅が38万1千戸となっている一方、転勤や入院による長期不在や住人の死去などで無人となっている「その他」が348万7千戸で4割超を占めている。管理が行き届いてない空き家が増えている実態にある。

7割が消費増税後の経済に「不安」
共同通信社が行った全国電話世論調査で、消費税増税後の日本経済の先行きに関して「不安」「ある程度不安」と不安を感じているとの回答は70.9%に上った。また、今回の増税の際に我が国で初めて導入された軽減税率制度について82.4%の人が「複雑だ」と答えている。また、景気の下支え策として行われたキャッシュレス決済へのポイント還元について「増やそうと思う」人は37.5%で、「増やそうと思わない」(61.2%)が上回った。

学童保育の待機児童は過去最多に
全国学童保育連絡協議会の調査によると、共働きやひとり親家庭の小学生を放課後に預かる放課後児童クラブ(学童保育)を希望したものの、利用できなかったとする「待機児童」は今年5月1日時点で1万8176人に上ることが分かった。前年より1219人増え、過去最多を更新している。現在、学童保育を利用する児童は過去最多の126万9739人で、政府は2023年度末までに定員を30万人分拡大するとしているが、共働き世帯が増えているのに追いついていない実情が浮き彫りとなった。

高所得世帯の介護保険料引き上げへ
厚労相の諮問機関である社会保障制度審議会は介護保険サービスを受ける際に、65歳以上の高所得者世帯の自己負担額を引き上げる方針を固めた。負担額の改訂は政令改正を経て2021年度に導入される見通しで、高所得世帯の自己負担額の増加を求める背景には、介護保険制度の維持を図るとともに、社会保障費抑制する狙いがある。現行の住民税課税世帯は収入に関わりなく一律4万4400円だが、改訂では、最大で年収が約1160万円以上の場合には月額上限を14万100円とするとしている。

喪主の最大不安は「費用の相場が不明」
冠婚葬祭サービス「くらしの友」が首都圏の40〜70代男女を対象に「喪主を務めた(務めるであろう)葬儀で困った・不安に思うこと」を経験者とそれ以外に分けて尋ねたところ、最多は「費用の相場が分からない」だった。経験者の400人が61.5%、それ以外の人で71.9%に上った。経験者の第2位は「心付けや僧侶へのお布施額が分からなかった」(53.2%)、未経験者の2位は「どの葬儀社に相談したらいいかわからない」(62%)だった。