社会・経済ニュース
2019年10月15日号
8月の景気動向指数、「悪化」に下方修正
内閣府は8月の景気動向指数が前月比0.4ポイント下落の99.3となり、基調判断を「悪化」に引き下げた。これまでの基調判断は、3月と4月に「悪化」、5月〜7月までは「下げ止まり」としてきていたが、今回、8月は「悪化」と下方修正した。米中貿易摩擦が響き、輸出や生産が低迷したことが背景にあるが、10月からの消費税増税で消費の落ち込みも危惧されており、景気の腰折れによって、景気減速が長期化を懸念する向きも出ている。

年金開始選択年齢を75歳に拡大へ
厚生労働省は近く社会保障審議会に対し、公的年金の受給開始年齢を75歳にまで期間を広げる案を提示することが明らかになった。現在の受給開始年齢は60〜70歳の間に選択できることになっているが、年金制度の持続する狙いから75歳まで受給開始年齢を選択可能にするというもので、来年の通常国会に関連法改正案を提出するとしている。8月に公表された財政検証の試算では、75歳まで年金受給開始時期を遅らせた場合、65歳からの人に比べ、年金支給水準が最大で約70%増加するとしている。

ノーベル化学賞に吉野彰氏が授賞
スウェーデン王立科学アカデミーの発表によると、2019年ノーベル化学賞を旭化成名誉フェローの吉野彰氏に授与されることが明らかになった。授賞理由はスマートフォンやノートパソコンなど多岐にわたって利用されているリチウムイオン電池を開発し、化石燃料を使わずに地球温暖化にも寄与し、人類に偉大な貢献をしたことが挙げられている。今回の受賞で日本出身のノーベル賞受賞者は28人に達した。

早期退職者、6年ぶりに1万人超に
東京商工リサーチが発表した2019年1〜9月に上場企業の早期退職や希望退職の対象が27社に上り、対象人数は1万642人に上ることが分かった。6年ぶりに1万人を超えた背景には、これまで円安で企業業績が堅調なことで年間1万人を下回ってきたものの、ここに来て企業業績が不振に陥ったことが挙げられている。また、同社では「バブル期に大量採用した企業は、40〜50代社員が突出して多い逆ピラミッドの年齢構成となっており、若返りを図りつつ、いびつな年齢構成を是正する企業も少なくない」と分析している。

ポイント還元制度利用は日額8億円に
経済産業省の発表によると、10月1日からの消費税増税に対応して導入されたキャッシュレス決済のポイント還元制度の利用状況によると、開始してから1週間の1日当たり決済額は平均で約202億円に上り、還元額は日額で約8億2千万円に上ることが分かった。1週間での累計決済額は約1400億円で還元額は約60億円に上る。政府は2019年度当初予算でポイント還元額の原資として1786億円を計上しているが、このペースでの進展や参加店の増加も見込まれ、政府想定を上回ることは確実視される。

セブンイレブン店舗、5年ぶりの減少に
セブン‐イレブン・ジャパンの発表によると、出店から閉店を差し引いた9月の国内店舗数は前月比24店減少の2万993店となったことが分かった。5年ぶりの店舗数減少について、同社では「既存店の強化のため新規出店を抑制するとともに、出退店は年間ベースで計画している」として一時的なものであることを強調している。しかし、一部には、コンビニ店舗の飽和状態にあり、成長戦略に陰りが見られることが背景にあるのではと指摘する声もある。

国家公務員の給与、6年連続で引き上げ
政府は、2019年度の国家公務員の給与とボーナス(期末・勤勉手当)について人事院勧告を受け入れ、増額する給与法案を閣議決定した。6年連続での増額となり、年間平均給与は行政職で2万7千円増の680万円となる。給与法案では、月給は平均387円(0.09%)増額となり、夏・冬のボーナスは0.05ヵ月引上げの4.50カ月分となっており、臨時国会で給与法改正案が可決すれば、今年4月に遡って増額分が支給される。

キャッシュレス利用派は79%
消費者庁が全国の20〜70代の男女を対象にした意識調査によると、クレジットカードなどのキャッシュレス決済を「よく利用している」は41.6%、「時々利用している」は37.4%で、利用派は79.0%に上ることが分かった。不便や不安に感ずることについては(複数回答)、「個人情報の流出や不正使用」が61.4%で最も多く、「カードなどの紛失や盗難」(48.5%)、「お金の使い過ぎ」(41.4%)が続いた。