社会・経済ニュース
2019年10月29日号
10月22日、天皇陛下が第126代天皇に即位したこと内外に宣言する「即位礼正殿の儀」が国事行為として執り行われた。陛下はお言葉の中で、「皇位を継承し、即位を宣明する」とともに、「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います」と述べられた。正殿の儀は即位の礼の中心儀式である。
スイス金融大手のクレディ・スイスが発行した「世界の富に関する年次報告書」によると、世界の富裕層上位10%に入る人の数が、中国が1億人に達し、これまで首位だった米国の9900万人を上回ったことが分かった。また、報告書では、ミリオネア(100万ドル/約1億1千万円以上の資産を有する人)は約440万人となり、数において日本を抜いて世界2位になったとしている。世界の成人ミリオネアは約4680万人で、中国がその約1割を占めていることになる。
米財務省は、2019会計年度(2018年10月〜19年9月)の財政赤字額は9843億ドル(約107兆円)となったと発表した。前年度比26.4%もの大幅な増加となった背景には、法人税などの大型減税が響き歳入の伸びが鈍化したことに加え、国防費や国債の利払い費の増加、さらには歳出拡大を進めたため、財政赤字が大きく膨らんだことが挙げられている。4年連続で赤字額は拡大しており、このまま財政悪化が続くことになれば、世界経済への影響も出かねない。
国際エネルギー機関(IEA)は報告書で、2024年に再生エネルギーの発電能力は約50%増加すると予測した。再生エネルギーは太陽光発電が牽引しており、IEAが予測している発電能力の増加分1200ギガワットに上り、現在の米国での発電量に匹敵している。IEAでは「再生エネルギーは世界で2番目に大きな電力である」ことを指摘したうえで、「地球温暖化対策として配備を加速する必要がある」とアピールした。
厚生労働省の推計によると、看護職員(看護師・准看護師・保健師・助産師)は2025年に約6万〜27万人不足することが明らかになった。同省が、残業時間と有休の取得日数のパターンを3種類設定して、それぞれ必要数を試算したもので、団塊世代が全て75歳以上となる「2025年問題」を前に、衝撃的な推計結果となった。同省では、昨年5月に介護職員も約34万人不足するとの推計を発表しており、将来の看護職員・介護職員の不足は深刻な状況にある。
出入国在留管理庁の発表によると、2018年に日本の大学や専門学校を卒業後に国内で就職するため在留資格を変更した外国人留学生は2万5942人に上ることが分かった。前年比3523人増となり、過去最多を更新したことになる。背景には、留学生数が増えていることに加え、深刻な企業の人手不足から採用需要が高まっていることが挙げられている。変更後の在留資格別でみると、エンジニアや経理担当などとして働く際の資格が全体の93.2%を占めている。
厚生労働省が行った調査によると、2016年の大学卒業者のうち、就職してから3年以内に離職した人の割合は前年比0.2ポイント増の32.0%に上ることが分かった。産業別にみると、宿泊業・飲食サービス業が最も高い50.4%で、生活関連サービス業・娯楽業の46.6%、教育・学習支援業の45.9%、医療・福祉が39.0%、小売業が37.4%で続いている。企業規模別にみると、で、従業員5人未満が57.7%だったのに対し、従業員1千人以上は25.0%で、規模が小さくなるほど、離職率が高い傾向にある。
萩生田文部科学相は記者会見で、来年1月1日から国の公文書にローマ字で日本人の名前を表記するに際して、「姓・名」の順とすることを明らかにした。また、「姓」を明確にする場合は全て大文字にすることを中央省庁で申し合わせたと述べた。同相は「直ちに企業や一般社会に影響を与えることは考えない」としたうえで、「各業界ともそれぞれの判断で対応してもらえればよい」との見解を示した。今回のローマ字表記に関しては各省庁が業界へ通知を出して周知するとしている。