社会・経済ニュース
2019年12月24日号
歳出では予算総額の3分の1ほどを占める社会保障費が35兆8608億円に達し、自然災害に対応した公共事業関係費も6兆8571億円と高い水準を維持し、防衛費も6年連続で過去最大を更新する5兆3133億円などとなっている。歳入では、税収が過去最高額の63兆5130億円で、このうち消費税収21兆7190億円と初めて20兆円を超えた。
厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師統計」によると、2018年末の医師の総数は過去最多となる32万7210人に上ることが分かった。歯科医師の総数は10万4908人、薬剤師は31万1289人となり、いずれもが過去最多を更新した。背景には、医師不足の解消のために医学部定員の臨時増を図るなどの対応をしたことが挙げられている。人口10万人当たりの医師数の全国平均は246.7人で、最も多い徳島(329.5人)と最も少ない埼玉(169.8人)とでは2倍近い差がみられた。
政府が閣議了承した2020年度の国内総生産(GDP)成長率について実質1.4%程度とする経済見通しであることが分かった。名目成長率は2.1%程度として、名目GDPは5年連続で過去最高を更新する570兆2千億円程度と見込んでいる。政府見通しでは、個人消費が前年度比1.0%増、設備投資が同2.7%増、輸出が2.4%増、輸入が3.1%増と想定している。民間エコノミストの成長率予測では平均0.5%としており、政府見通しは楽観的とみる向きがある。
総務省と国土交通省の調査によると、2019年4月時点で、過疎地域にあって、65歳以上の高齢者が住民の半数以上を占める「限界集落」は2万349に上ることが分かった。前回調査の2015年4月と比べ、約6千増えている。集落の総数は6万3156あり、住民の総数は1034万人で、1集落当り平均で164人が居住している。限界集落が占める割合は4年前と比べ、約10ポイント上昇の32.6%だった。住民全員が65歳以上の集落も956あり、全員が75歳以上の集落も339あった。
トランプ米大統領は2020年会計年度(2019年10月〜20年9月)の国防権限法案に署名し、法案の成立を受け、宇宙軍が発足した。トランプ米大統領は「宇宙は新たな戦闘領域」だとして「軍を設け、米国の安全を守る」と軍創設の意義を込め、宣言した。1万6千人体制で発足した宇宙軍は中国・ロシアとの軍拡競争が激しさを増す中、今後の軍事作戦の中核をなす人工衛星網を守り、軍事的に優位に立とうという狙いがある。
リクルートワークスが従業員5人以上の企業を対象にした調査結果によると、2021年卒の大学生・大学院生の採用数を「増やす」企業は前年比2.3ポイント減の11.5%だったことが明らかになった。一方、採用数を「減らす」企業は同1.7ポイント増の7.6%だった。同研究所では「米中貿易摩擦や消費税増税で景況感が悪化したことに加え、中途採用の比重を増やす傾向があることが背景にある」と分析している。企業の採用意欲は高いものの、ここにきて、ペースダウンの傾向が見られる。
国土交通省の発表によると、2021年11月以降に国内メーカーが販売する新型乗用車(軽自動車含む)に自動ブレーキの搭載を義務付けることが明らかになった。高い安全機能を備えた乗用車の普及によって事故対策を向上させる狙いがある。義務付けとなるのは2021年11月に販売される国産の新型車やモデルチェンジする車が対象となり、既に販売されている車種やモデルは2025年12月から導入するとしている。
世界保健機関(WHO)の発表によると、世界の男性喫煙者の数が初めて減少に転じる見通しにあることが分かった。WHOによると、2000年と2018年を比較すると、男性喫煙者は4300万人増の10億9300万人となったが、2020年には100万人減、2025年には500万人減となる見通しにある。日本の総喫煙者率をみると、2000年で31.6%(男性51.1%、女性13%)だったが、2020年には18.5%(男性29.5%、女性8.2%)にまで落ち込むとみている。