社会・経済ニュース
2020年01月21日号
米中貿易協議、「第1段階」合意に
1月15日、米中両政府は関税報復応酬による景気悪化を回避する狙いから、貿易協議の「第1段階」合意に署名した。合意内容は、中国が米製品の購入を今後2年間で2000億ドル(約22兆円)を増やし、米国が制裁関税対象の一部の税率を15%から半減するといった骨子となっている。世界経済の減速懸念は和らいだものの、中国のハイテク関連分野での産業補助金や国有企業改革などの国家主導による経済政策に関する根幹に関わる課題が積み残されており、依然、先行き不透明との指摘がある。

低所得世帯層の4割超が健診受診せず
厚生労働省の2018年国民健康・栄養調査によると、健康診断を受診していない人は年間所得200万円未満の世帯で依然、4割超に上っていることが分かった。未受診率は年間所得が最も高い層とした「600万円以上」の男性で16.7%、女性で26.1%だったが、「200万円未満」では、男性で40.7%、女性で41.1%だった。4年前の調査でも、今回と同様に、低所得ほど未受診率が高い傾向が見られ、依然、健康格差への課題が残る結果となっている。

財政健全化達成の2025年度も赤字に
内閣府が経済財政諮問会議に示した試算によると、政府が掲げた財政健全化の重要指標である基礎的財政収の黒字化目標を達成する2025年度は3.6兆円に赤字となることが明らかになった。昨年7月時点で試算した際には、2.3兆円の赤字になると試算していたが、一段と悪化する見通しである。悪化の要因として、世界経済の減速による法人税収の落ち込みと社会保障費の増大が挙げられており、財政健全化へ向けた本腰を入れた取組みが急務である。

35%が家族の認知症を周囲に隠した
国際アルツハイマー病協会が155の国・地域に住む@認知症の本人、A家族ら介護者、B医療従事者、C一般市民の約7万人を対象にした調査によると、認知症の人を介護している家族のうち、35%の人が周囲に認知症の診断を隠したことがあることが分かった。一般市民の調査で、自分が認知症になった場合、20%の人が「周囲に秘密にする」と答えている。また、認知症の人について、64%の人が「衝動的で予測不可能」と答えた。

企業倒産、11年ぶりに前年を上回る
東京商工リサーチが発表した2019年の全国の企業倒産件数は(負債総額1千万円以上)8383件に上ったことが分かった。前年比1.8%の増加で、11年ぶりに前年を上回り、10産業のうち7産業で増加していた。倒産全体の約9割にあたる7347件は従業員数が10人未満で、小規模・零細企業だった。また、後継者難や求人難などの人手不足倒産も2013年の調査開始以来、最多の426件にも上っていた。同社では、「中小企業では、人材確保のために賃金を引き上げると収益悪化に陥る厳しい状況にある」と指摘している。

働き方改革法への対応企業は6割
エン・ジャパンが従業員1千人未満の企業を対象にした調査によると、「働き方改革」への対応状況を尋ねたところ、「完全に対応した」企業は5%にとどまり、「概ね対応した」企業は55%だった。また、働き方改革で「経営に支障が出ている」とした企業は42%だった。具体的な支障が出ている項目では「残業時間の上限規制」が最多の65%で、「年次有給取得の義務化」(61%)、「同一労働同一賃金」(45%)が続いた。さらに、働き方改革法により企業の労働環境や、日本が良くなっていると思うかを尋ねたところ、最多が「変わらない」(40%)だった。

2018年農業総産出額、4年ぶりに減少
農林水産省の調査によると、2018年の農業総産出額は前年比2.4%減の9兆558億円になったことが分かった。2015年以降、3年連続で前年を上回っていたものの、4年ぶりに減少に転じた背景には、米や肉用牛などの産出額は増えたものの、野菜や豚、鶏卵での価格下落が影響したことが挙げられている。また、原油価格の上昇もあり、生産農業所得も減少に転じ、前年比7.3%減の3兆4873億円となった。

新成人の56%が運転免許を保有
ソニー損保が今年の新成人を対象にした「カーライフ意識調査」によると、普通自動車運転免許を持っているかを尋ねたところ、56.4%が免許を保有していることが分かった。運転免許を取得する予定者は26.1%だった。また、バイクを除く乗用車を保有しているかを尋ねたところ、「自分の車を持っている」人は14.8%で、「自分の車を購入する予定がある」人は9.7%、「購入予定はないが、いずれは欲しい」が42.1%で、乗用車を購入予定や意向のある人は51.8%だった。