社会・経済ニュース
2020年02月04日号
世界保健機関(WHO)は1月31日、新型コロナウィルスによる肺炎に関する緊急委員会で「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当すると宣言した。この宣言を受け、日本政府は、中国の武漢市を含む湖北省に滞在歴のある外国人を当分の間、入国を拒否するとともに、中国全土の感染症危険情報をレベル2の「不要不急の渡航の自粛」に引き上げた。また、新型肺炎を感染症法に基づく「指定感染症」とする政令を2月1日に施行した。
厚生労働省は2019年の外国人雇用状況(10月末現在)で日本国内の外国人労働者数は165万8804人だったと発表した。前年比13.6%の増加で、7年連続で過去最高を更新したことになる。背景には、国内での深刻な人手不足が挙げられている。国籍別にみると、最多は中国の41万8327人(前年比7.5%増)で、ベトナムの40万1326人(同26.7%増)、フィリピンの17万9685人(同9.6%増)が続いた。
野村総合研究所の試算によると、新型コロナウィルスによる肺炎の拡大で、2020年の日本の名目国内総生産(GDP)は2兆4750億円減る恐れがあることが明らかになった。試算は、2003年に中国で流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)により世界各国・地域からの訪日客が減少した割合を基に、名目GDPの減少額を計算している。試算では、訪日客の減少率が1年間続いた場合として算出しているが、SARSと同様に短期間で終息すれば減少額は7760億円にとどまるとの見方も示している。
日銀が銀行や信用金庫など国内402の金融機関を対象にしたアンケート調査によると、2017年以降、「サイバー攻撃を受けた」との回答が39.8%に達したことが分かった。サイバー攻撃を受けた金融機関での影響は、「業務・経営に重大な影響があった」との回答は1.2%にとどまり、「軽微な影響があった」は9.5%、「影響はなかった」は29.1%だった。また、サイバー攻撃対策の要員は、「十分確保できていない」が59.0%で、セキュリティ対策要員が不足している実態を浮き彫りにした。
財務省が発表した2019年品目別貿易統計によると、環太平洋連携協定(TPP)で関税が削減されたことで、牛肉や豚肉が前年より大幅に増加したことが分かった。とくに、牛肉はカナダ産が前年から倍増の4万901トン、ニュージーランド産が33.1%増、メキシコ産が16.8%もの増加となっている。豚肉では、メキシコ産が14.7%増、カナダ産が4.6%増となっている。また、日本と欧州連合の経済協定(EPA)の発効で、ワインやチーズの輸入も大幅に増加している。
日本労働組合総連合会が45〜69歳の男女を対象に、「何歳まで働きたいと考えているか」を尋ねたところ、平均年齢は67.4歳であることが分かった。60歳以降も働きたい理由では(複数回答)、「生活の糧を得るため」が最多の77.0%で、「健康を維持するため」が46.2%で続いた。さらに、どんな働き方を希望するかを尋ねたところ、「現役時代と同じ会社で正規以外の雇用形態で働く」が42.4%で最も多く、「現役時代と同じ会社で正社員として働く」が33.1%で、7割以上の人が「同じ会社で働くことを望んでいる」人が多いことが分かった。
大阪高裁は大阪府泉佐野市が訴えていた総務省のふるさと納税の新制度で指定自治体から除外した決定は違法だとして取り消しを求めていた裁判で、違法性はないとして、請求を棄却する判決を下した。判決では、「市の返礼品は返礼割合や地場産品ないものの比率や換金性が高く、制度の趣旨に反する募集である」との見解を示した。また、判決では返礼品競争で「本来企図しない悪循環と弊害が生じた」と指摘し、国勝訴の判決となった。
日本映画製作者連盟が発表した2019年映画状況によると、入場者数は1億9491万人となり、1971年以来、48年ぶりに過去最高を更新したことが分かった。興行収入も2611億8千万円となり、2000年以降で過去最高を更新した。同連盟によると、邦画と洋画のシェアは54.4対45.6と前年並みに拮抗した。興行収入の首位には新作アニメ「天気の子」の140億6千万円で、洋画での首位は「アナと雪の女王」の127億9千万円だった。