社会・経済ニュース
2020年04月21日号
緊急事態宣言の対象を全国に拡大
安倍首相は4月16日に行われた新型コロナ特措法に基づく政府対策本部の会合で、これまで東京や大阪など7都府県を対象地域としていた緊急事態宣言を全都道府県に拡大した。期間は5月6日までとなる。これにより、新たに対象となった地域の知事は法的根拠に基づく外出自粛要請や店舗を含む施設の利用制限の要請や指示ができることとなる。また、政府は同会議で所得制限を設けずに国民1人当たり一律に10万円を給付することも決定した。

総人口、過去最大の減少幅を記録
総務省は2019年10月1日時点の人口推計で、外国人を含む総人口は前年比27万6千人減少の1億2616万7千人と発表した。総人口は9年連続で減少し続けており、減少数は1950年以降で最大となった。年齢階層別にみると、14歳以下の人口は1521万人で全体に占める割合は過去最低の12.1%。働き手である15〜64歳の生産年齢は7507万2千人で割合は最低の59.9%となった。他方、65歳以上の人口は3588万5千人で総人口に占める割合は過去最高の28.4%だった。

中国の国内総生産、初のマイナス成長
中国国家統計局は2020年1〜3月期の国内総生産(GDP)は実質で前年同期6.8%減だったと発表した。四半期ベースで比較可能な1992年以降で初めてマイナス成長に転じたことになる。新型コロナウィルス感染拡大により経済が停滞したことを浮き彫りにしている。中国共産党は「1〜3月は異常だ。新型コロナウィルスによって我が国経済は前例のない試練に直面している」と厳しい局面にあることを示している。国際通貨基金(IMF)は「2020年の中国の実質成長率は1976年以来の低水準となる1.2%の成長になる」と予測している。

感染防止策なければ約42万人が死亡
厚生労働省のクラスター対策班の推計によると、新型コロナウィルスの感染防止策を全く行わなかった場合、流行の始まりから終わるまでに人工呼吸器が必要な重篤な状態になる人は国内で約85万人になることが明らかになった。このうち、約半数にあたる約42万人が死亡するとしている。対策班メンバーの北海道大学の西浦教授は「40万人が亡くなるとは想定してない」としながらも、「感染症は人との接触を大幅に削減すれば流行を止めることができる」と強く警鐘を鳴らしている。

IMF予測、政府債務が急拡大
国際通貨基金(IMF)が発表した世界各国の財政状況に関する報告書によると、今年の世界全体の政府債務は前年比13.1ポイント拡大の96.4%になると予測した。新型コロナウィルスの感染拡大防止や患者の治療、個人や企業への経済的支援などで悪影響を緩和する直接的な費用だけで3兆3千億ドル(約350兆円)に上ると推計している。日本は、債務の対GDP比で14.5ポイント上昇し、251.9%となり、先進国の中では最悪な状態に陥るとしている。

日米安保体制、7割が評価する
外務省が行った「2019年度外交に関する国内世論調査」による、日米安全保障の体制について、68.9%が「評価する」と答えていることが分かった。日米安保は条約の署名から60周年を迎えており、「評価しない」は27.5%にとどまった。また、日本の開発協力で特に優先すべき地域を尋ねたところ(複数回答)、「タイ、インドネシアなどの東南アジア」が最多の68.0%で、「アフリカ」(59.6%)、「インド、パキスタンなどの南西アジア」(57.9%)、「中東」(43.2%)が続いた。

3月の訪日外国人旅行者は93%減に
観光庁の発表によると、3月に日本を訪れた外国人旅行者は推計で19万3700人となったことが明らかになった。前年同月比93.0%もの減少で、減少率は統計開始の1964年以降で最大となり、月間の訪日客が20万人を割り込んだのは1989年2月以来、31年ぶりとなった。背景には、新型コロナウィルス感染拡大を防止するための日本の入国制限が挙げられており、政府は4月に一段と入国拒否の対象国と地域を拡大しており、今後、さらに減少は避けられない。

家庭用冷凍食品の国内生産、5年連続増
日本冷凍食品協会は2019年(1〜12月)冷凍食品品の国内生産量は159万7319トンとなり、3年ぶりに減少に転じた前年から再び増加したことが分かった。内訳をみると、家庭用冷凍食品は69万4194トンとなり5年連続で増加し、業務用冷凍食品は前年比0.4%増の90万3125トンだった。本年の見通しについて、同協会では、「新型コロナウィルスの影響で、家庭用の需要は大きく伸びる一方で、業務用は学校給食の中止や外食の大幅な減少が見込まれ、厳しい状況だ」とみている。