社会・経済ニュース
2020年05月26日号
内閣府は2020年1〜3月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比0.9%減となり、年率換算すると3.4%減になると発表した。4年3カ月ぶりに、2四半期連続でマイナス成長となった。4〜6月期は緊急事態宣言が発令されたことで、確実に悪化する見通しにある。1〜3月期は主要項目の全てがマイナスとなり、個人消費は前期比0.7%減、設備投資は0.5%減、住宅投資は4.5%減、輸出は6.0%減などとなっている。
観光庁の発表によると、4月に訪日外国人客は前年同月比99.9%減の2900人だったことが分かった。新型コロナウィルス感染拡大への対策から入国拒否が響いたもので、月間の訪日客が1万人を割り込んだのは1964年以降で初めてとなり、減少率は過去最大となった。訪日外国人客の大幅な急減によって、宿泊や交通などの関連業界は壊滅的な影響を受け、感染拡大の収束が見えない中で、経営への深刻な事態が危惧されている。
政府は5月25日、新型コロナウィルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の全面解除を決定した。4月7日に7都府県を対象に発令してから49日間で全面解除することとなった。首相は、「1か月半で流行をほぼ収束することができた」としたうえで、外出やイベントなどをはじめ社会経済活動を段階的に緩和する方針を会見で述べた。緩和するにあたっては、3週間ごとに感染状況を見極めて制限の緩和を進め、8月1日をめどに全面再開するとの考えを示した。
日本教育学会の試算によると、政府が導入の可否を検討している9月入学制に伴い、来年9月に通常の1.4倍の新小1年生が入学した場合の国や家庭が負担する額を試算したところ、6兆9千億円超に達することが明らかになった。教育学会が9月入学制の課題を提言としてまとめた中で公表したもので、制度を移行するにあたっては巨額な財政支出が必要であり、メリットとして挙げられている国際化の促進にも大きな効果は望めないことを指摘したうえで、教育予算を年1兆円分積み増し、小中高の教員10万人増を実現し、教育の質を向上させることを優先すべきとしている。
中部圏社会経済研究所が新型コロナウィルスの感染流行による2020年度の雇用に与える影響を試算したところ、全国で最大301.5万人が失業する恐れがあると発表した。リーマン・ショック後の金融危機時の2009年には全国で約95万人が失業しているが、今次のコロナ流行での試算予測では最悪3倍強に及ぶものとなっている。試算は、コロナ流行の収束が年内まで及び、訪日外国人旅行者数が来年3月まで回復しない「最悪ケース」と、流行が今年後半に収束し訪日外国人旅行者数が今年10月以降に回復する「標準ケース」の2通りで行われている。
NPO法人ふるさと回帰支援センターがセンターの利用者やセミナー参加者を対象にした調査で、2019年の都道府県別の移住希望地ランキングによると、首位は3年連続で長野だった。トップの長野続き、広島、静岡、北海道、山梨がランクインした。長野は30〜60代で首位に支持されている。同センターの相談件数は前年比約2割増の約4万9400件に及び、首都圏での移住に関する関心の高まりを浮き彫りにしている。
経団連が東証1部上場の大手企業の2020年春闘妥結状況を集計したところ、定期昇給を含む月例賃金の引き上げ率は2.17%だったと発表した。政府が賃上げを企業に求めた、いわゆる官製春闘を開始した2014年以降で最も低い引き上げ率となった。回答のあった15業種のうち、鉄鋼をはじめ11業種で前年を下回り、深刻な人手不足にあるホテルや商業などの4業種で前年を上回った。今後、新型コロナの影響で、業績連動型の賞与などを採用している企業での夏以降の賞与への影響が危惧されている。
日本高野連は理事会で、8月10日から開催予定の第102回全国高校野球選手権大会と、出場権を競う地方大会の開催中止を決定した。春の選抜大会に続き、新型コロナウィルス感染拡大による影響でのリスクを回避することが理由として挙げられた。春夏連続での開催中止は太平洋戦争の影響による中断を除いて、史上初となった。日本高野連は、各都道府県の高野連が球児の思いを慮って独自に地方大会の開催を模索する動きについて「それぞれの高野連の自主的な判断に任せる」としている。