社会・経済ニュース
2020年06月02日号
政府は5月27日の閣議で、新型コロナウィルス感染拡大に対処する一般会計歳出総額31兆9114億円となる第2次補正予算案を決定した。1次補正予算の25.6兆円を上回るもので、企業に対する家賃保証、雇用調整助成金の増額、ひとり親世帯への給付金の加算、地方自治体への地方創生臨時交付金などが盛り込まれている。必要とされる財源については、赤字国債22.6兆円、建設国債9.3兆円を追加発行することで賄うとしている。
農林水産省は、2019年の漁業・養殖業生産統計で、養殖を含む漁獲量は416万3千トンだったと発表した。比較可能な1956年以降で最低を更新したことになり、ピークだった1984年(1281万6千トン)の3割水準に落ち込んだことになる。サンマやサケ類、スルメイカが過去最低になったことに加え、サバ類が落ち込んだことが影響している。漁獲の低迷している背景について、水産庁は乱獲が一因であるとして、同庁は漁獲枠などによる管理強化を進めている。
厚生労働省は4月の有効求人倍率は前月比0.07ポイント低下の1.32倍になったと発表した。2016年3月以来4年1か月ぶりの水準となり、求人数は過去最大のマイナス幅となる8.5%減を記録した。また、総務省は4月の労働力調査で、完全失業率は0.1ポイント悪化の2.6%となり、完全失業者は6万人増の178万人だったと発表した。一方、就業者数は前年同月比80万人減の6628万人となり、2012年12月以来7年4か月ぶりに減少に転じた。
三井住友カードは新型コロナウィルス感染が拡がる前の1月から感染が拡大した3月にかけて、カード利用額に占めるインターネット通販の割合を20〜70代までの年代別に調べたところ、60〜70代のネット通販の割合が感染拡大の前後で5ポイント超増加していた。ネット通販利用割合が大きく伸びたのは60代で、1月の15.4%から3月の21.9%へと6.5ポイントも増加した。70代で5.5ポイント増、50代で5.5ポイント増、40代で5.3ポイント増が続いている。同社では「高齢者が外出の不要なネット通販を活用し始めた」とみている。
日銀の国債保有残高が初めて500兆円を超えたことが明らかになった。日銀は4月の金融政策決定会合で、新型コロナウィルス感染拡大への対応から国債の買い入れ上限を撤廃し、政府との連携強化方針を打ち出している。日銀が異次元緩和を導入した2013年4月時点での国債保有残高は約130兆円だったが、国債の購入を進めてきており、ここに来て一段と国債購入を進めて行くことで、2019年度国内総生産(GDP)約552兆円を上回る国債保有も視野に入ってきた。
シニア向け女性誌発行会社のハルメクの「生きかた上手研究所」が50〜85歳の女性を対象にした調査によると、79.8%の人が新型コロナウィルスに不安を感じていることが分かった。感じている不安の中身を尋ねると(複数回答)、最多は「いつ流行が落ち着くのかが分からない」(90.4%)で、「ワクチンや特効薬がまだない」(73.0%)が挙げられた。また、現在気をつけていることでは、「情報に踊らされないようにする」(68.8%)、「免疫力を上げる」(64.8%)などが挙げられた。
財務省は2020年1〜3月期の法人企業統計で金融・保険業を除く全産業の経常利益が15兆1360億円だったと発表した。前年同期比32.0%もの大幅な減少で、4四半期連続で前年同期を下回っている。下落幅はリーマン・ショック後の2009年7〜9月期の32.4%減と同水準になった。背景に、新型コロナウィルス感染拡大があり、売上高も3.5%減の359兆5572億円なった。今後、経済活動への影響が大きく、本格再開には程遠いだけに、企業業績への悪影響は避けられない。
日本フードサービス協会は4月の外食売上高は前年同月比39.6%減となったと発表した。比較が可能な1994年以降で過去最大の落ち込みとなった。業態別に見ると、パブ・居酒屋が91.4%減となり、協会では「事実上の活動停止状態に陥った」としている。3月から2カ月連続で過去最大の売上げ減となっており、今後について、協会では、「5月も客足が戻るには時間がかかり、4月並みの厳しさが続く」とみている。