社会・経済ニュース
2020年06月23日号
政府は新型コロナウイルス対策本部会合で、これまでの都道府県境をまたぐ自粛要請を6月19日から全面解除することを決定した。また、イベントについても、これまで示して来た屋内・屋外ともに、感染拡大の防止対策を講じた上で、上限を1千人に緩和するとした。さらに、集団感染の発生がみられた接待を伴う飲食業やライブハウスに対する休業要請も解除するとした。感染防止を図りつつ、経済活動の拡大という二律背反する課題解決に取組みを示した決定ともいえる。
厚生労働省は新型コロナウイルス感染拡大に関連した解雇や雇止めは6月12日時点で見込みを含め2万4660人に上ると発表した。同省は、5月25日以降から正社員と非正規労働者の雇用形態別に集計を開始しているが、非正規労働者は54%を占め、非正規労働者は企業業績の好転・悪化によって採用・解雇がなされる「雇用の調整弁」であることを浮き彫りにしている。解雇や雇止めを都道府県別にみると、東京都が最多の4423人で、大阪(3163人)、北海道(1292人)が続いた。
政府は6月の月例経済報告で国内景気の判断を「極めて厳しい状況にあるが、下げ止まりつつある」とした。新型コロナウイルス感染症対策での緊急事態宣言を全面解除したことを踏まえたもので、前月までの「悪化」から「下げ止まりつつある」とした。先行きについては、「持ち直しに向かうことが期待される」との認識を示しながらも、「国内外の感染症の同行を注視する必要がある」との表現に、第2波や第3波への警戒感を強めている。
独米PR戦略会社のケクトスCNCが日米欧6カ国の世論調査で、新型コロナウイルスでの政府による企業支援の現状の評価をそれぞれの自国民に尋ねたところ、日本は6カ国の中で最低だったことが分かった。調査は、6カ国の各国1千人を対象にしたもので、「政府の支援が必要な企業に届いている」と答える割合が最も高かったのはフランス(51%)で、最低との評価となった日本は11%だった。日本政府の企業支援の評価が低かったことについて、同社では「企業支援の不満や経済不安が要因だ」と指摘した。
観光庁の発表によると、5月に日本を訪れた外国人は、1700人にとどまり、過去最少だった4月の2900人を下回り、最少を更新したことが分かった。前年同月比99.9%もの減少で、背景には新型コロナウイルス感染拡大防止で採られている入国制限がある。訪日外国人客の減少は8カ月連続となり、入国制限の緩和・解除が見通せない中で、政府は「Go To キャンペーン」の展開を通じて関連業界への支援を図る考えである。
日本財団が17〜19歳の男女を対象にした「学業と9月入学」をテーマにした意識調査によると、休校で最も困ったことを尋ねたところ、最多が「学業」の37.4%に上った。次いで、「友達とのコミュニケーション」(20.3%)、「受験や進学・就職」(17.8%)が続いた。また、来年度からの導入が見送られた9月入学については、「賛成」(38.4%)と「反対」(31.2%)でほぼ拮抗した。それぞれの理由の最多は、賛成派が「休校による授業の遅れを取り戻せる」で、反対派が「入学試験に影響する」が挙げられた。
財務省は貿易統計で5月の輸出は前年同月比28.3%減の4兆1845億円だったと発表した。下落率はリーマン・ショックの影響のあった2009年9月以来、10年8か月ぶりの水準となった。世界的な新型コロナウイルス感染拡大が響いたもので、特に米国向けの自動車輸出は同78.9%と大幅に落ち込んだ。一方、輸入も26.2%減の5兆182億円となり、10年7か月ぶりの下げ幅となった。まさに、ウイルス感染拡大による貿易不振が響き、依然、出口が見えない潮流となっている。
日本労働組合総連合会(連合)の調査によると、新型コロナウイルス感染拡大対策でのテレワーク(在宅勤務)をした人の51.5%が「通常勤務より長時間労働になった」と越えていることが分かった。また、テレワークのメリットとして(複数回答)、「通勤がないため、時間を有効活用できる」(74.6%)が挙げられる一方、デメリットでは「通勤時間とそれ以外の時間の区別が付けられない」(44.9%)が挙げられた。