社会・経済ニュース
2020年08月18日号
内閣府は4〜6月期の実質国内総生産(GDP)が前期比7.8%減となり、年率換算で27.8%減になったと発表した。これまで最大の下落率となったリーマン・ショック後の2009年1〜3月期の年率17.8%減を大きく上回り、戦後最大の減少率となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響により国内外の経済活動が大きく落ち込んだことが背景にある。主な内訳をみると、個人消費が前期比8.2%(年率換算28.9%減)、輸出が18.5%減(同56.0%減)だった。
厚生労働省が2019年9月時点で国民健康保険(国保)、後期高齢者広域連合、全国健康保険協会(協会けんぽ)の3つの公的医療保険のそれぞれでの後発薬の使用割合を都道府県別に集計したところ、全国平均は74.9%だった。最も使用割合が高かったのは沖縄で、国保(85.6%)、後期高齢者広域連合(84.1%)、協会けんぽ(87.0%)だった。逆に、使用割合が最も低かったのは、徳島で、国保(65.8%)、後期高齢者広域連合(65.8%)、協会けんぽ(66.5%)となり、地域での格差がみられた。
財務省は2020年上半期(1〜6月)の国際収支速報で、経常収支は前年同期比31.4%減の7兆3069億円の黒字となったことを明らかにした。世界的な新型コロナウイルス感染拡大により輸出が落ち込んだことに加え、訪日外国人旅行者(インバウンド)が大幅に減ったことが影響している。上半期に経常黒字が10兆円台を割り込んだのは、2015年以来5年ぶりとなった。
独立行政法人国立女性教育会館が行った調査によると、従業員800人以上の企業で働く入社5年目の女性社員のうち59.2%の人が「管理職を目指したくない」と答えていることが分かった。管理書を目指したくない理由について尋ねたところ(複数回答)、最多は「仕事と家庭の両立が困難」(69.3%)で、「責任が重い」「能力がない」が続いた。政府は女性活躍を成長戦略の一環として女性の積極的な登用を掲げているが、「仕事と家庭の両立」に不安を抱く女性が多いことを浮き彫りにした。
貿易統計によると、原発の核燃料となるウランや燃料集合体の輸入が2019年にほぼゼロとなったことが分かった。核燃料の輸入が開始されたとみられる1960年代半ば以降の約50年間で初めてとなる。背景には、東京電力福島第1原発事故後の新規制基準により国内にある4つの燃料製造工場が操業停止していることに加え、再稼働原発が少ないことが挙げられている。事実、再稼働済みの関西・四国・九州の3電力は運転に必要な燃料は数年先まで確保している。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が上場する地方銀行78行の4〜6月決算を集計したところ、計上した不良債権処理費用は679億円に上ったことが分かった。前年同期に比べ、約5割積み増したもので、背景には融資先企業の業績が新型コロナウイルス感染拡大によって、悪化懸念がある。不良債権処理費用は、金融機関が融資の回収を断念した際に発生する費用。また、集計で、78行の純損益合計は前年同期比42%減の2006億円だった。
SMBC日興証券が東証第1部上場の3月期決算企業が発表した4〜6月期決算の純利益の合計が4兆6757億円にとどまったことが分かった。前年同期比53.7%減少となったものの、リーマン・ショック時の2009年4〜6月期の79.7%と比べると、悪化の影響は緩和している。世界的な新型コロナウイルス感染拡大より経済活動が縮小したことが背景にあり、全33業種のうち鉄鋼など11業種が赤字に陥った。同証券では、「7〜9月期以降、回復に向かうのかは必ずしもはっきりとしない」とみている。
総務省の発表によると、今年1〜7月3日までの半年間に同省の出先機関である行政評価事務所などで新型コロナウイルス感染症に関する苦情や相談などの行政相談件数は1万1477件だった。同省の集計によると、1〜2月は水際対策、2月中旬以降はマスクなどの物資不足、相談が急増した3月下旬以降は給付金などの金銭面の支援や保障などに関する問い合わせが殺到したとしている。相談の内訳をみると、「生活関連」が50.4%で半数を占め、「感染対策」(17.5%)、「政府対応への意見・照会」(13.4%)が続いた。