社会・経済ニュース
2020年09月08日号
国連が2015年に採択した2030年までの新たな開発目標「持続可能な開発目標(SDGs)」の柱として掲げてきた2030年までに、極度の貧困にある人口の割合を3%まで引き下げるとしてきたが、世界銀行は「達成は非常に難しい」との認識を示した。新型コロナウイルス感染拡大によって貧困撲滅の目標達成が困難な状況にあることが背景にある。その上で、世銀は「先進国による途上国支援を拡充する」ことを訴えている。
国連児童基金(ユニセフ)が先進・新興国38カ国に住む子供の幸福度を調査した報告書によると、日本の子どもの「精神的な幸福度」は、生活満足度の低さや自殺率の高さから37位という最低レベルにあることが分かった。38カ国を「精神的な幸福度」「身体的健康」「学力・社会的スキル」の3分野で指標化。総合順位は、1位がオランダ、2位がデンマーク、3位がノルウェーで、日本は20位にとどまった。日本は、学校でのいじめや家庭内不和などを理由に幸福を感じていない実態が浮き彫りとなった。
財務省は2020年4〜6月期の法人企業統計で、金融・保険業を除く全産業の経常利益は12兆4140億円となり、前年同期比46.6%減少していることが明らかになった。5四半期連続でのマイナスで、リーマン・ショック後の2009年4〜6月期(53.0%減)以来の大きな落ち込みとなった。4〜6月期の経常利益は、製造業で48.7%減、非製造業で45.5%減となっている。また、設備投資も11.3%減となっており、2010年1〜3月期以来の大幅な減少となっている。
厚生労働省の発表によると、新型コロナウイルス感染拡大に関連する解雇や雇止めが8月末時点で5万326人になったことが明らかになった。新型コロナによる解雇や雇止めは5月21日に1万人、そして6月4日に2万人を超え、以後、1カ月当たり1万人のペースで増えてきている。8月28日までの累計では14都道府県で1千人を超えており、当初は宿泊業が中心だったものの、最近では製造業での増加が目立ってきている。
内閣府の推計によると、家計の所得のうち蓄えに回る割合を示す貯蓄率が2020年1〜3月期に8.0%に達していることが分かった。約19年ぶりの高水準となった背景には、昨年10月の消費税率10%に引き上げられたことに加え、新型コロナウイルス感染症拡大による不況に備えて貯蓄性向が高まったものとみられる。4〜6月期は店舗休業や外出自粛での消費が抑制されたことに加え、直近は老後の蓄えに回す傾向があり、一段と貯蓄率は高まるものとみられる。
明治安田生命が20〜79歳の男女を対象にした「健康に関するアンケート調査」で、新型コロナウイルス感染拡大前と比べ、48.1%の人が拡大前と比べて「健康になった」と答えていることが分かった。コロナ禍での健康の度合いを尋ねたもので、感染拡大前より「健康になった」「やや健康になった」との回答が半数近くを占める一方、「不健康になった」「やや不健康になった」は合せて2.8%だった。同社では、「ステイホーム期間中に食生活を見直したり、運動の機会を増やしたりするなど、生活習慣の改善に取り組む人が増えた」とみている。
気象庁のまとめによると、8月の東日本の平均気温は平年より2.1度高く、統計を開始した1946年以降で最もかった。また、西日本の8月平均気温も平年より1.7度高く、これまで最高だった2010年と同じとなった。他方、降水量は東日本で平年の37%、西日本で40%にとどまり、記録的な「少雨」となった。平均気温が高かった気象要因としては、太平洋と大陸から貼り出す2つの高気圧が重なり合って日本列島を覆ったことが起因している。
米国研究グループは、中高年で少量から中等量の飲酒(1週間に、女性では8杯未満、男性では15杯未満:1杯の目安はビール約350ml)が認知機能を良好に保つと発表した。米国の中高年者約2万人の疫学研究に参加して認知機能検査を複数回受けた人を平均9.1年追跡調査したもので、認知機能が低下するリスクは飲酒歴のない人と比べ、飲酒者は34%抑制されたとしている。また、飲酒者の認知機能の年間低下率も抑えられていたとしている。