社会・経済ニュース
2020年11月10日号
株価、29年ぶりの高値水準に
11月9日の東京株式市場の日経平均株価の終値が2万4839円84銭となり、バブル経済崩壊後最高値を更新し、29年ぶりの高水準となった。背景に、日米欧の中央銀行による金融緩和で金融市場に供給された大量の資金が株式市場に流入したことに加え、米大統領選でバイデン元副大統領の当選確実を好感したことが挙げられている。ただ、足元では新型コロナウイルスの感染拡大により、実体経済がコロナ以前にまで回復するには相当な時間を要するものとみられ、一段と株価が上昇するとみる向きは少ない。

コロナ関連倒産、累計で700件を突破
東京商工リサーチの発表によると、新型コロナウイルス関連の企業倒産は2月からの累計で701件の上ったことが明らかになった。同社では「大型倒産が減る一方で、体力の乏しい中小・零細企業で増加傾向にある」としている。また、10月にこれまで最多となる113件の倒産を記録していることに関して、「実質無利子融資などの公的支援の効果が薄れつつある」と分析している。業種別にみると、外出抑制や訪日客減少が響き、飲食業(122件)が突出し、アパレル関連(70件)、宿泊業(55件)が続いた。

上場企業の9月中間決算、純利益43%減
SMBC日興証券が上場企業の2020年9月中間決算の公表を集計したところ、20.9%が赤字に陥り、純利益の合計額は前年同期比43.6%減の3兆6202億円だったことが分かった。新型コロナウイルス感染拡大が影響したことが背景にある。業種別にみると、陸運や空運は大きく業績が悪化する一方で、巣ごもり需要のあったゲーム事業などは大幅な増益となり、同社では「コロナの状況下でも勝ち抜ける業態や商品を持っているかどうかで業績に差が出た。当面、この傾向は続く」とみている。

尖閣諸島周辺への中国船航行、過去最多
第11管区海上保安本部の発表によると、11月2日、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認したことが明らかになった。尖閣周辺での中国当局の船の航行が確認されたのは57日連続で、年間では過去最多の283日となった。尖閣周辺で中国当局の船の航行は、自国が主張している領有権を既成事実化する狙いがあるとみられている。

2020年度税収見積もり、大幅下方修正
政府は追加経済対策を盛り込んだ10兆円規模の2020年度第3次補正予算を年末に編成する方針だが、これに対応する2020年度税収見積もりを、当初の63兆5130億円から大幅に下方修正することで検討に入った。税収の下方修正する背景には、新型コロナウイルス感染拡大の影響で企業業績が悪化し、法人税収が大きく落ち込むことが回避できない状況にあり、年度途中で税収見積もりを減額せざるを得ない実情にある。税収減額となれば、その分の赤字国債の増額発行で財政悪化が加速することになる。

8割が不要プラ・過剰包装が多いと感じる
環境保護団体のグリーピース・ジャパンが18〜79歳の男女を対象にしたアンケート調査によると、81.2%の人が「不要なプラスチック製品、過剰包装が多い」と感じていることが分かった。過剰なプラ・包装が多いと感じている人に「どういう製品・サービスか」を尋ねたところ(複数回答)、最も多かったのは「肉や魚用のトレー」(39.5%)で、「菓子の個包装」(38.1%)、「ダイレクトメールやパンフレットなどのプラスチック製袋」(33.5%)、「通信販売の緩衝材や包装」(30.2%)が続いた。

2019年度法人所得は8.3兆円減少
国税庁が発表によると、2019年度に決算期を迎えた法人の申告所得総額は65兆52億円となったことが分かった。前年度から8兆3千億円減少し、過去3番目の下げ幅となったことが明らかになった。同庁では、「3月決算法人を中心に新型コロナウイルス感染拡大による影響があった」とみている。過去の減少幅を見ると、リーマン・ショックの影響があった2008年度(17.2兆円減)、バブル経済崩壊の影響があった1992年度(8.5兆円)に次ぐものとなっている。

新語・流行語候補、コロナ関連が半数
2020ユーキャン新語・流行語大賞の候補30語が発表された。30語のうち、半数が新型コロナウイルスに関連する言葉が占めた。コロナ関連では、「アベノマスク」「新しい生活様式」「オンライン」「クラスター」「3密」「テレワーク」などが挙げられ、選考委員会は「候補の全てが新型コロナ関連でもおかしくないほど新語が登場し、これまで存在する言語も独特の使われ方をした」と指摘している。記録的な興行収入を上げ続けているアニメ「鬼滅の刃」も候補に挙げられた。新語・流行語大賞の発表は12月1日となる。