社会・経済ニュース
2020年11月17日号
7〜9月期国内総生産、年率21.4%増
内閣府は2020年7〜9月の国内総生産(GDP)は実質で前期(4〜6月期)に比べ5.0%増となり、年率換算で21.4%増となると発表した。政府が緊急事態宣言を出した4〜6月期から急速に回復し、比較可能な1980以降で最大の伸び率となった。項目別にみると、国民への給付金支給の効果を背景に個人消費が前期比4.7%増で過去最大の伸び率となった。設備投資は3.4%減、住宅投資は7.9%減、輸出は前期の17.4%減から一転して前期比7.0%増となった。

コロナワクチンの有効性は9割超に
米製薬大手のファイザーが開発を進めている新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験の結果公表によると、感染・発症を防ぐ有効性は90%以上であることが明らかになった。同社は米食品医薬品局に緊急使用許可申請をするとしている。また、日本政府はワクチンを全額国の負担で全国民分のワクチンを確保し、接種することを盛り込んだ予防接種法改正案について、11月10日、衆院本会議で審議入りした。菅首相は「安全性、有効性を最優先に最新の科学的知見に基づきしっかり審査していく」と表明した。

IMF、公共投資で雇用創出を提唱
国際通貨基金(IMF)は各国政府に対して、公共投資を対国内総生産(GDP)比で1%増やすことで2千万〜3300万人の雇用が創出されるとする試算を示しながら、投資拡大することを呼び掛けた。試算によると、公共投資が1%増加させれば、GDPは2年後までに2.7%押し上げられ、民間投資の10%増加し、700万人の雇用が生まれるとしている。間接的な効果を含めれば、雇用創出は最大で3300万人に上るとしている。IMFでは、「世界的に低金利が低い今が好機だ」としている。

鉄道の無人駅、全体の半数近くに
国土交通省が鉄道会社の年度末での駅数と無人駅数を集計したところ、2020年3月末時点での無人駅数は4564駅に上ることが分かった。駅数は全国で9465駅あり、無人駅数が約半数の48.2%を占めていた。統計を開始した2002年での無人駅数は4120駅だったが、約20年で1割強が増えたことになる。無人駅増加の背景には、少子高齢化や都市部への人口流出に加え、地方鉄道会社での経営の厳しさがある。

6割超の上場地銀が減益・赤字に
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、東京証券取引所などに上場する地方銀行・グループの2020年9月中間決算を集計したところ、発表を延期した1社を除く77社のうち、49社が前年同期比で純利益が減少または赤字となったことが分かった。6割を超える地銀が減益・赤字となった背景には、預金と融資の金利差である利ザヤが縮小したことに加え、新型コロナウイルス感染拡大で融資先の企業の業績悪化が指摘されており、厳しい経営環境にあることを浮き彫りにした。

ひとり親世帯の6割超が「収入が減った」
一般社団法人ひとり親支援協会がひとり親世帯を対象に行った調査によると、65.6%が「収入が昨年より減った、減る見込み」と答え、支出に関しては79.7%が「昨年より増えた」と答えていることが分かった。新型コロナウイルス感染拡大に伴い、ひとり親世帯の家計がひっ迫している状態にあることが浮き彫りとなった。また、調査で政府が給付した一時金の使い道を尋ねたところ、74.8%が生活費や返済に充てたと答えた。同協会は、第3次補正予算案で、ひとり親世帯へさらに一時金支給を求める要望書提出した。

10月の自殺者、前年同月比39%増加
警察庁の集計によると、10月の自殺者数は2153人に上り、前年同月比39.9%もの増加になったことが明らかになった。前年比で4カ月連続での増加となり、とくに7月から増加に転じていることもあり、厚生労働省では新型コロナウイルス感染拡大の影響との関連について分析調査するとしている。10月の自殺者は男性が1302人、女性が851人となり、男性が6割超を占めている。都道府県別にみると、東京が最多の255人で、埼玉(151人)、神奈川(148人)が続いた。

自分の臭いが「気になる」人は7割超
資生堂が全国の20〜40代の男女を対象にした調査によると、「自分の臭いが気になる」人は、「気になる」「やや気になる」を合わせると、74.7%だったことが分かった。また、加齢臭の原因は体表の潤いを保つ皮脂中の脂肪酸が酸化してできた「ノネナール」だが、資生堂グローバルイノベーションセンターの勝山研究員によると、ノネナールは40歳過ぎから増え始め、男女差はなく、個人差が大きいと説いている。加齢臭=オジサンという定説は誤解であるといえる。