社会・経済ニュース
2020年11月24日号
米ホワイトハウスで新型コロナウイルスのワクチン配付を統括するモンセフ・スラウイ氏は米国民へのワクチン接種が12月11日から開始する見通しを示した。米製薬大手ファイザーが11月20日にワクチンの緊急使用許可を当局に申請したのを受け、食品医薬品局(FDA)の承認のための会合が12月10日予定されており、スラウイ氏は「承認から24時間以内にワクチンが出荷され、接種開始が来月11日から開始される」との見通しを示した。また、同氏は「来年5月ごろに国民生活が正常に戻る」との見解も示した。
早稲田大学の棚村教授と市民団体「選択的夫婦別性・全国陳情アクション」が、全国の20〜59歳の男女を対象に、結婚後も希望すれば元の姓を名乗れる「選択的別性」について尋ねたところ、70.6%の人が賛成すると答えていることが分かった。結婚後も夫婦同姓であるべきとする反対する人は14.4%にとどまり、棚村教授は「選択的夫婦別姓について、賛成派、または好意的に理解している人が多いことが把握できる」としている。
11月17日、東京株市場で日経平均株価の終値が2万6014円62銭となった。終値が2万6千円を超えるのは1991年5月以来の29年半ぶりで、バブル経済崩壊後の最高値となった。11月に入ってから、3千円もの上昇幅となったが、株価上昇の背景には、米製薬大手のファイザー社やモデルナによるワクチン開発の臨床試験で高い有効性が得られたとの公表により、コロナが収束に向かい、経済活動が回復するものとの期待が高まったことが指摘されている。
文部科学・厚生労働両省による調査によると、来春卒業予定で就職を希望する大学生の就職内定率は10月1日時点で69.8%だったことが明らかになった。前年同期と比べ7.0ポイント減となり、リーマン・ショックの影響があった2009年の7.4ポイント減に次ぐ下落幅となった。背景には、新型コロナウイルス感染拡大の影響がある。文理別の内定率をみると、文系が68.7%(7.5ポイント減)、理系が74.5%(4.8ポイント減)で、文系大学生の下落が目立っている。
農林水産省が発表した2020年産新米の10月の出荷業者と卸売業者の相対取引価格は全銘柄の平均は玄米60キロ当たり1万5065円だったことが明らかになった。前年同期比4%下落したことになる。背景には、供給過剰による価格下落傾向にあることに加え、新型コロナウイルス感染拡大で外食需要が減少したことが挙げられている。供給が需要を上回る、いわゆる「コメ余り」は米価の下落を促し、コメ農家は一段と深刻な状態に陥りかねない。
国立がんセンターの発表によると、2004〜2007年に全国21病院で「がん」と診断された人の10年後の生存率は58.3%だった。前回集計した2003〜2006年の4年間での生存率は54.2%から改善していることが分かった。同センターでは「標準的な治療が全国的に受けられるようになったことが背景にある」と分析している。部位別にみた「がん」の生存率が高かったのは、前立腺(98.8%)が最も高く、逆に生存率が低かったのは、膵臓(6.2%)が最も低かった。
厚生労働省の集計によると、全国の児童相談所が昨年度に児童虐待として対応した件数は過去最多の19万3780件だったことが明らかになった。統計を開始した1990年度以来、29連続で最多を更新してきている。同省のまとめによると、虐待4類型のうち、心理的虐待が最多の10万9118件で全体の56.3%を占め、身体的虐待(25.4%)、育児放棄(17.2%)、性的虐待(1.1%)が続いた。また、情報の経路では警察の通告による対応が最も多い9万6473件で全体の半数近くを占めた。
博報堂生活総合研究所が全国の20〜69歳の男女を対象に、今年の景気について尋ねたところ、79.3%の人が「今年の景気は悪かった」と答えていることが分かった。前回調査より46.0ポイント増加し、過去最高となった。来年について尋ねたところ、「良くなる」と答えた人は22.8%で、「悪くなる」と答えた人は35.9%だった。「良くなる」とみる人の理由では「コロナの収束や反動」が最多で、「悪くなる」とみる人の理由では「コロナの長期化」が最も多く、コロナが景気の先行きを分けるものとなった。