社会・経済ニュース
2020年12月08日号
経済協力開発機構(OECD)が発表した最新の経済見通しで、2021年の世界の実質経済成長率は前回の9月予測から0.8ポイント下方修正し、4.2%となるとした。2020年については、0.3ポイント引き下げて、マイナス4.2%とし、新型コロナウイルス感染拡大による経済縮小が余儀なくされている実態を浮き彫りにした。日本の成長率については、東京五輪・パラリンピック開催で消費や輸出が増加するとみて、前回より0.8ポイント上方修正の2.3%としている。
財務省は2020年7〜9月期の法人企業統計で、全産業の経常利益が年同期比で28.4%減の12兆3984億円になったと発表した。6四半期連続のマイナスとなったものの、前期(4〜6月期)の46.6%から大幅に愁傷している。同省では「持ち直しの動きが見られる」との見方を示しているが、感染拡大の「第3波」の動きもみられ、先行きについては不透明感も否めない。全産業の売上高は同11.5%減で5四半期連続のマイナスとなった。
12月2日の参院本会議で、改正予防接種法が全会一致で可決され、新型コロナウイルス感染症のワクチンを国の負担で無料提供されることとなった。改正法ではワクチンを臨時接種として提供すると規定され、接種の主体は市町村が担うとされている。国民は無料で費用負担はないが、接種を受ける努力義務が生ずることとなるものの、有効性や安全性が十分に明確でなければ、努力義務を適用しないことも可能だとしている。厚生労働省は同意を得た医療従事者から先行してワクチン接種してもらうとしている。
国連人道問題調節室(OCHA)の発表によると、2021年に世界で人道支援を必要とする人々が前年比4割増の2億3500万人に上ることが明らかになった。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が背景にあり、深刻な状況にある56カ国の1億6千万人への支援に必要な額も350億ドル(約3兆6千億円)に上ると報告している。また、OCHAは1日1.9ドル(約200円)未満の生活を強いられる極貧層は世界全体で22年ぶりに増加に転じたとして、各国へ支援の協力を求めた。
厚生労働省が発表した2018年度医療費の総額は前年度比3239億円増の43兆3940億円に上り、過去最高を更新したことが明らかになった。背景には、高齢化の進行とともに医療の高度化によって費用が復膨らんだことが挙げられている。国民1人当たりでみると、3300円増の34万3200円だった。医療費を賄う財源別に構成比をみると、国民や企業が負担する保険料が全体の49.4%、国と地方を合わせた公費が38.1%、患者の窓口支払う自己負担は11.8%となっている。
ダスキンが全国の20歳以上の男女を対象に大掃除の予定を尋ねたところ、71.2%が「する予定」と答えていることが分かった。大掃除で最もきれいにしたい場所を尋ねたところ、最多は「レンジフード・換気扇」(19.5%)で、「キッキン」(17.8%)、「リビング・ダイニング」(17.1%)、「窓・網戸」(13.6%)が続いた。また、予定している日では、「12月27日」が最も多い35.4%で、「26日」(28.9%)、「29日」(24.8%)が続いた。新型コロナ感染拡大の影響で掃除時間や頻度が増えたと答えた人は34.4%だった。
横浜市立大の研究チームが新型コロナウイルス感染者の血液を採取し調査したところ、98%の人が半年経過しても、ウイルスの再感染を防ぐ抗体を持ち続けていることが分かった。再感染を防ぐ中和抗体を持っていた人は、感染から回復した人の症状別にみると、「無症状」「軽症」は97%、「中等症」「重症」は100%だった。この調査結果により、コロナワクチン接種で効果が長持ちする可能性があり、ワクチン接種への期待が高まってきている。
12月1日発表された2020新語・流行語大賞の年間大賞に「3密」が選ばれた。新型コロナウイルス感染症対策として回避すべき行動としての「密閉・密集・密接」を表現した言葉で、3密の知名度を上げたとして小池東京都知事が受賞した。また、トップテンには、コロナ関連で「アベノマスク」「アマビエ」「オンライン〇〇」「GoToキャンペーン」「あつ森(あつまれどうぶつの森)」も選ばれた。さらに、社会現象ともなり映画が記録的なヒットとなった「鬼滅の刃」も受賞した。