社会・経済ニュース
2021年01月26日号
日銀、2020年度成長率を引き下げ
日銀が発表した「経済・物価情勢の展望レポート」によると、2020年度の実質国内総生産(GDP)成長率は前年度比マイナス5.6%になるとの見通しを示していることが明らかになった。昨年10月にマイナス5.5%としていたが、新型コロナウイルスの第3波の影響から下方修正している。また、同リポートでは2021年度成長率についてはプラス3.9%と、昨年10月の3.6%から上方修正した。会見した黒田総裁は「デフレに再び陥るリスクは非常に高いとは見ていない」と述べた。

2020年の訪日客数は87%減に
観光庁は2020年の訪日客数は前年比87.1%減の411万5900人だったとする推計結果を発表した。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により各国での渡航制限や日本での水際対策による急減で、減少率は統計を開始した1964年以降で最大となった。政府が2020年の訪日客の目標を4千万人に掲げていたが、10分の1にとどまり、新型コロナが大きく立ちはだかった形となった。一方、日本人の出国者数は317万4200人となり、減少率は最大の84.2%だった。

ワクチン、3億1千万回分を確保
菅首相は衆参両院の本会議で新型コロナウイルスのワクチンについて米製薬大手ファイザーとの正式な契約で3億1千万回分を確保できる見込みであることを明らかにした。その上で、国民の接種状況を管理する上で、マイナンバー活用も含めた仕組みを検討するとの考えも示した。国民から感染拡大の観点から指摘も多い観光事業「Go To トラベル」に関して、トラベル事業再開については「今後の感染状況を見て判断する」とした。

2024年度、基礎的財政収支は赤字に
財務省の試算によると、政府の2024年度一般会計予算の基礎的財政収支(PB)の赤字幅が11兆3千億円の見通しにあることが明らかになった。政府は基礎的財政収支の黒字化を2025年度に達成するとの目標を掲げているが、極めて厳しい状況にある。今回の2024年度での財政収支の試算では2022年度以降、名目成長率を3%で続くとみているが、1995年度以降、3%を超える成長率を達したこともないことから、実際の収支は悪化するとの見通しているとみる向きが多い。

昨年の百貨店売上高、45年ぶりの低水準
日本百貨店協会が発表した2020年の全国の百貨店売上高は前年比26.7%減の4兆2204億円にとどまったことが明らかになった。下落率は統計を開始した1965年以降で最大となるとともに、売上高も1975年以来45年ぶりの低水準に陥った。背景には、新型コロナウイルス感染拡大での臨時休業を余儀なくされたことに加え、来店者の減少、とりわけ訪日外国人が激減したことが挙げられている。地区別にみると、コロナ流行が深刻化した都市部での下落が目立った。

40〜64歳負担の介護保険料、最高に
厚生労働省の推計によると、40〜64歳の人が負担する2021年度の介護保険料は1人当たり平均月額が6678円となることが明らかになった。2000年に介護保険制度が開始して以来、最高額となった。65歳以上の人の保険料は市区町村ごとに3年に1度見直されるが、次回の見直しにあたる2021〜23年度の新しい保険料は今年3月末までに決定されるが、月額6千円を超える見通しにある。高齢化の進展で、介護サービス利用者は増加してきており、結果として、保険料負担が増える実態にある。

中国のGDP、主要国で唯一プラス成長に
中国国家統計局は2020年の国内総生産(GDP)は実質で前年比2.3%増となったと発表した。新型コロナウイルス感染拡大で経済が低迷する主要国で唯一プラス成長を果たしたことになる。プラス成長を果たしたものの、伸び率は2019年比3.7%減となっていた。主要指標の中で、自動車や工業ロボットなどが牽引したこともあり、工業生産が前年比2.8%増となるとともに、工場への固定資産投資も2.9%増となった。一方、小売売上高はコロナが響き、3.9%減だった。

20〜70代全世代の8割が「老後に不安」
メットライフ生命保険が全国の20〜79歳の男女約1万4千人を対象に老後について尋ねたところ、83.5%が「不安」を感じていることが分かった。老後に不安を抱く年代は40代が最多で、89.7%の人が不安を抱いていた。不安要因を複数回答で尋ねたところ、「認知症」が全世代で上位3位内に入っていた。60、70代での不安要因の1位は「健康」、2位が「認知症」、3位は「自身の介護」が挙げられた。また、60、70代に生活充実度を採点してもらったところ、平均で68.7点だった。