社会・経済ニュース
2021年02月02日号
世界のコロナ経済対策は1445兆円
国際通貨基金(IMF)は新型コロナウイルス感染症に対する世界各国の経済対策は2020年12月末での総額は13兆8750億ドル(約1445兆円)に達したと発表した。昨年9月末時点から2兆ドル(約208兆円)を積み増しており、収束が見えない中で、各国は一段と財政出動することは避けられない状況にある。米国の4兆130億ドルが最多で、日本は米国に次いで2兆2100億ドルとなっている。IMFでは、「財政支援は人命や生活を救ってきており、経済が軌道に乗るまで家計や企業への支援は適切である」としている。

有効求人倍率、45年ぶりの下落幅に
厚生労働省は2020年の有効求人倍率は前年比0.42ポイント下落の1.18倍となったと発表した。1975年以来45年ぶりの下落幅となった背景には、新型コロナウイルス感染拡大による先行き懸念から企業が求人を縮小したことが挙げられている。また、総務省は2020年平均の非正規労働者数は前年比75万人減の2090万人となり、2014年以降で初めて減少に転じた。田村厚労相は「求人を続けている業種もあり、リーマン時のように雇用が一斉に消えたという状況ではない」と述べた。

2020年、東京圏への転入超過が減速に
総務省が発表した2020年の人口移動報告によると、東京圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の転入者が転出者を9万9243人上回り、25年連続で「転入超過」となった。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、東京圏全体の転入超過数は前年の14万8783人より約5万人少なく、減速傾向がみられた。政府は2024年度までに東京圏への転入数と転出数を均衡させるという目標を掲げているが、達成に向けた本格的な抜本的な施策を講じることが求められている。

白物家電、5年連続でプラスに
日本電機工業会は2020年の洗濯機などの白物家電の国内出荷額は2兆5363億円になったと発表した。前年比1.0%増加で、5年連続でプラスとなり、1996年以来、24年ぶりの高い水準となった。背景には、新型コロナ感染ウイルス感染拡大により自宅で過ごす「巣ごもり」需要に加え、特別定額給付金(1人10万円)の支給が寄与したことが挙げられている。空気清浄機が前年比56.8%増の888億円で、過去最高を更新するとともに、在宅時間が増えたことにより調理家電のホットプレートやトースターも2ケタの伸びとなった。

世界のコロナ感染者、1億人を突破
米ジョンズ・ホプキンス大は新型コロナウイルス感染者が1月26日時点で1億人を突破したと発表した。世界で80人に1人が感染した計算になる。昨年11月上旬に5千万人を超えてから僅か2ヶ月半で倍増するほどに急拡大しており、死者数も世界で210万人を超え、被害の深刻さは加速度的に増している。国別に感染者数を見ると、米国が最多の2500万人で、インドが約1100万人、ブラジルが約900万人に上り、ロシアと英国が約370万人で、この5カ国で全体の半数以上を占めている。

昨年の国際観光収入、135兆円の減収
国連世界観光機関(UNWTO)の発表によると、2020年に世界で失われた国際観光収入は推計で1兆3千億ドル(約135兆円)だったことが分かった。世界的な新型コロナウイルス感染拡大による海外旅行者が大幅に減少したことが背景にあり、UNWTOでは金融危機時の2009年の11倍以上にもなり、「観光史上最悪の年」と指摘した。また、観光に携わる1億〜1億2千万人の職が失われた恐れがあるとしている。

米GDP、74年ぶりの大きな落ち込みに
米商務省は2020年の実質国内総生産(GDP)は前年比3.5%減となったと発表した。マイナス成長に陥ったのはリーマン・ショック後の2009年(同2.5%減)以来11年ぶりで、落ち込み幅は第2次世界大戦直後の1946年以来74年ぶりの大きさとなった。とくに、米経済の7割を占める個人消費は前年比3.9%減となり、1932年以来88年ぶりの大きさとなった。新型コロナウイルス感染拡大がもたらした大きさを浮き彫りにした。

世界のコロナ対応、日本は45位に
オーストラリアのシンクタンクであるローウィー研究所が世界98カ国・地域が新型コロナに対しどの程度効果的な対応したかを数値化し、ランキング形式でまとめたところ、1位はニュージーランドだった。次いで、2位にベトナム、3位に台湾が続いた。日本は45位に評価された。同研究所では、「人口1千万人以下の小規模な国は2020年の大半の期間、大規模な国よりも機敏に健康上の緊急事態に対応した」と評価している。