社会・経済ニュース
2021年03月16日号
経済協力開発機構(IMF)は2021年経済見通しについて、世界の実質経済成長率は5.6%になるとの見通しを発表した。前回予測した2020年12月時点の予測から1.4ポイント上昇修正した背景には、新型コロナウイルスワクチンの普及が寄与している。ただ、IMFはワクチン接種が進展しない場合は、経済回復力は弱まるとも指摘しており、ワクチン進展の具合が世界経済を左右する実態にある。日本の成長率は、2021年は2.7%、2022年は1.8%と上方修正の予測をしている。
3月15日のニューヨーク株式市場で、優良株で構成するダウ工業株30種平均の終値が前日比174.82ドル高い3万2953ドルとなり、終値では史上最高値を4営業日連続で更新した。市場最高値を2週間ぶりに更新した背景には、2月の消費者物価統計の発表を受け、インフレ高が加速する懸念が薄らいだことや、上がり続けている長期金利が一服したことから、株式が買われたことなどが挙げられている。
世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルス感染症について「パンデミック(世界的流行)」と形容してから1年を経過するが、この間、感染者数は1億2千万人近くに及び、死者数も260万人を超えたと発表した。とくに、世界最大の感染国である米国での感染者数は世界の約25%を占める3千万人近くが感染し、死者数も第2次世界大戦の死者数を上回る30万人に及んでおり、最悪の感染症となっている。
英誌エコノミストが29カ国の先進国を対象に、女性の「働きやすさ」を指標化し、ランキング形式でまとめたところ、日本は29カ国の中でワースト2位だったことが明らかになった。指標は、教育や給与水準、男女格差などの10の分野での指標を基に順位付けをしたもので、首位はスウェーデンで、アイスランドなど北欧諸国が上位6位を占め、最下位は韓国だった。日本の評価では、父親や母親の有給での育児や出産休暇の取得状況は比較的良好だったものの、給与の男女格差や女性の管理職比率、衆院での女性議員の割合への評価が低かった。
民間調査会社のサーベイリサーチセンターが、東日本大震災の発生当時5〜15歳だった被災3県の若年層を対象にした調査で、震災の記憶や経験を話す頻度について尋ねたところ、「たまに話すことがある」が最多の43.7%だった。一方、「覚えていることはあるが、ほとんど話さない」は42.3%と答え、震災当時、年齢が低いほど「話さない」と答える向きが多かった。同社では「災害の危機や備えの大切さの記憶が薄れている世代が被災地にも増えつつある」と指摘している。
全国大学生活協同組合連合会が行った「学生生活実態調査」によると、昨年10〜11月の調査時点での登校日数は2.0日だったことが分かった。「登校日数0日」という学生も27.1%あり、1都3県の首都圏の1年生だけに限定すると、45.5%だった。大学生活が充実していると感じている学生(充実している、まあ充実している)は前年比14.6ポイント低下の74.23%で、1年生に限定すると56.5%にとどまった。
経済協力開発機構(OECD)の見通しによると、加盟する37カ国での政府債務残高は新型コロナウイルス感染拡大前の2019年から14兆ドル(約1490兆円)に増えることを明らかにした。加盟国での対策に向けた財政出動による政府支出が増えたりしていることが背景にある。本格的な経済回復が遅れることで、政府債務残高は膨らみ、世界的な金融市場の混乱を危惧する声もある。OECDの集計によると、加盟国の債務残高は2019年に47兆ドルあり、2020年に55兆7千億ドルとなっており、2021年にはさらに61兆ドルに達するとみている。
有料老人ホーム「エデンの園」が入居者をはじめ全国の60〜99歳を対象に、コロナ終息後に真っ先にやりたいことを尋ねたところ(複数回答)、「国内旅行」と答えた人は最多の47.6%だったことが分かった。次いで、「家族・孫に会う」(33.3%)、「外食」(30.6%)、「温泉」(28.1%)が続いた。また、コロナ禍の中で、新しく始めたことを尋ねたところ(複数回答)、「ウォーキング」(19.5%)、「インターネット通販の利用」(11.7%)、「体操」(11.5%)となっている。