社会・経済ニュース
2021年03月23日号
政府は首都圏の4都県に1月8日から発令されていた緊急事態宣言を期限の3月21日に解除することを決定した。2か月半ぶりの全面解除で、政府は解除後の対応として、飲食対策、変異株への対策強化、ワクチン接種の推進、医療提供体制の強化、検査拡充といった5つの総合対策を講じていくことを決定した。日本総合経済研究センターがエコノミスト36人の解除後の実質国内総生産の予測をまとめたところ、1〜3月期は前期比年率5.82%減となった後に、4〜6月期には5.83%増になる見通しにある。
日本銀行が発表した2020年10〜12月の資金循環統計によると、昨年12月末時点で個人が保有する現金は前年同期比5.2%増の101兆円となることが分かった。100兆円を超えるのは初めてで、背景には自宅で現金を保有する、いわゆる「タンス預金」を増やす傾向があることが挙げられている。家計部門での預金は955兆円で、現金を加えた「現金・預金」は1056兆円となった。株式なども加えた家計部門の金融資産残高は1948兆円となり、過去最高を更新した。
3月20日、東京五輪組織委員会、日本政府、東京都、国際オリンピック委員会、国際パラリンピック委員会の5者協議で、海外からの一般観客の受け入れを断念することで正式に合意した。五輪史上初めて海外からの観客受け入れなしでの開催となる。国内の観客数の上限の設定については、4月の5者協議で決定するとしているが、日本政府がイベント制限として定めている収容人員の「50%」基準が有力視されている。既に国内販売済の五輪チケットは約445万枚だが、観客数「50%」基準に決定すれば、再抽選となる可能性がある。
第一生命保険が発表した「将来なりたい職業の2020年度ランキング」によると、男子の小中高生と女子の中高生の1位には「会社員」が挙げられた。男女ともに「会社員」への人気が高くなっていた。会社員への人気について、同社では「コロナ禍で在宅勤務が拡がり、自宅で仕事をする親の姿を身近に感じた子どもが多かった」と分析している。同社では30年以上にわたって調査しているが、会社員人気はバブル期(1989〜91年)に「サラリーマン」がベスト10入りして以来だとしている。
厚生労働省と文部科学省のまとめによると、今春卒業予定の大学生の就職内定率は89.5%となることが分かった。前年同期比2.8ポイント下回り、2011年以来10年ぶりに悪化に転じた。新型コロナ感染拡大による採用抑制が就職戦線を直撃したものだが、厚労省の担当者は「企業においては新型コロナによる採用活動の遅れを取り戻しつつある」とみている。一方、高校生の内定率は1月末現在、前年同期比1.4ポイント増の93.4%だった。
日本新聞協会が昨年10〜11月に全国の男女1200人を対象に、定期購読やインターネットなどで新聞のニュースを月1回以上読んだり見たりしている人は64.0%だったことが分かった。平日1日の読む平均時間はコロナ前の2019年秋の21.9分だったが、コロナ後の2020年秋は24.3分と、約2分以上増加していた。休日も25.5分から27.6分に増え、同協会では「生活が激変する中で、新聞情報への注目が高まった」とみている。
ダイニチ工業の発表によると、2021年2月の加湿器の出荷金額は前年同期比700%となったことが分かった。例年の2月は加湿器のオフシーズンとなるが、2021年は新型コロナウイルスなどの感染症対策として加湿器の需要が増大したことが背景にあり、今年1月の出荷金額も前年比約500%となっていた。全ての加湿器の出荷台数が前年を上回り、とりわけ、学校などの抗教室説での需要が大きい加湿量1000ml以上の大型クラスの構成比が増加している。
ホットペッパーグルメ外食総研が全国の20〜50代男女を対象に47都道府県の特産品1品ずつの選択肢から取り寄せて食べたい「ご当地グルメ」をアンケートで尋ねたところ、人気1位には宮城県の「牛タン」となった。2位に宮崎県の「チキン南蛮」、3位に兵庫県の「神戸牛ステーキ」、4位に栃木県の「宇都宮ギョーザ」、5位に鹿児島県の「黒豚しゃぶしゃぶ」が挙げられた。上位9品には肉料理が占める結果となっている。同総研では、取り寄せて食べたいという人気上位のキーワードは、「旅行気分が味わえる」「プチぜいたく」だったと分析している。