社会・経済ニュース
2021年04月27日号
世界保健機関(WHO)の速報によると、4月12日からの1週に新型コロナウイルスの新規感染者数は520万人を記録し、これまで最多の週を記録した1月4日からの週の約500万人を超え、最多となったことが分かった。週間での感染者数は8週連続で増加が続いている。変異型株が世界的に猛威を振るっており、収束が見えない状況にある。また、米ジョンズ・ホプキンズ大の集計では、世界全体の感染者は1億4千万人を超え、1千万人増加するのに要した日数は過去最短の14日で急拡大している。
4月21日の参院本会議で、所有者不明土地問題の解消を図るための民法や不動産登記法の改正法が可決、成立した。改正では、3年以内に土地の相続登記を義務化し、正当な理由がなく怠った場合には10万円以下などの過料を科すとしている。また、改正法では、法務局に自分が相続人の一人であると戸籍などを提示して申告すれば、登記義務を果たしたものとみなすといった登記手続きの簡略化も図られた。相続した土地の所有権を放棄し、国に帰属させられる制度も導入された。
日本電機工業会は2020年度のルームエアコンや洗濯機などの白物家電の国内出荷額は2兆6140億円だったと発表した。1996年以来24年ぶりの高水準となった背景に、新型コロナウイルス感染拡大で「巣ごもり需要」と、政府が経済対策として1人当たり10万円の給付金を配布したことでの買い替え需要が増したものとみられている。また、電子情報技術産業協会の発表によると、2020年度のパソコンの国内出荷台数は前年度比27.5%増の1208万3千台に急増したことが明らかになった。
厚生労働省の「2019年国民生活基礎調査の概況」によると、1世帯当たりの平均所得金額は552万3000円だったことが分かった。内訳をみると、「高齢世帯」が312万6000円、「高齢世帯以外の世帯」が659万3000円、「児童のいる世帯」が745万9000円となっている。世帯所得金額の年次推移を見ると、1990年台以降から緩やかに下落傾向にあるが、「児童のいる世帯」では直近3年間で上昇傾向がみられた。
財務省が発表した2020年度貿易統計によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、1兆3070億円の黒字となったことが明らかになった。3年ぶりの黒字となった背景には、資源価格の下落により輸入額の減少幅が大きかったことが挙げられている。内訳をみると、輸出額は前年度比8.4%減の69兆4873億円で、輸入額は同11.6%減の68兆1803億円だった。輸出で際立ったのは、コロナ禍からいち早く脱却した中国向け輸出が9.6%0増加の15兆8997億円に上った。
健康保険組合連合会の発表によると、全国の1387組合のうち、1080組合が赤字に陥るとの推計が明らかになった。77.8%の組合が赤字に陥る背景には、新型コロナウイルス感染拡大によって、保険料算定の基礎となる賃金が減少したため、保険料が減ると見込まれている。赤字額は5602億円になるとみられ、収支を均衡させるために必要な実質保険料率は10.06%となり、中小企業の社員が入る全国健康保険協会(協会けんぽ)の平均料率10%を超えることになる。
米国などの研究グループの報告で、社会規範が厳格で、きっちりとした国民文化の国は、それらが緩やかな国と比べ、新型コロナウイルス感染者と死亡者が少ないことを明らかにした。研究グループは57カ国・地域の社会規範の厳格さを表わす指標を基に、2020年10月時点での感染者数と死亡者数との関連を調べたもの。結果、厳格な韓国、台湾、シンガポールに比較して、それらが緩やかな米国、ブラジル、スペインなどの国などでは、感染者数が4.99倍、死亡者数が8.71倍と大幅な増加がみられた。
メルカリが60代以上の男女を対象に、新型コロナウイルス感染拡大による影響について調査したところ、44.4%の人が「インターネットでの買い物が増えた」と答えていることが分かった。また、コロナがもたらした変化で「向上した」と答えた内容では(複数回答)、「節約に対する意識」(43.8%)、「商品の安全性を吟味する意識」(42.2%)、「困っている事業者から購入する意識」(42.2%)が挙げられた。ちなみに、同社によると、2020年4月〜21年3月までの1年間で60代以上の1人当たりの平均出品数は約72個で、20代の約2倍だった。