社会・経済ニュース
2021年05月11日号
菅首相は新型コロナウイルス感染症対策本部会合で、4都府県(東京・京都・大阪・兵庫)に発令されている緊急事態宣言の期限を5月31日まで延長することを決定した。また、感染が急拡大している愛知、福岡の両県を追加対象とすることとした。会見した菅首相は解除の基準として「ステージ4からの脱却が目安」としつつも、「総合的に判断する」と述べた。野村総研の試算によると、4都府県での20日間延長と愛知・福岡の2県が追加されたことで、1兆620億円の経済損失が生ずると指摘している。
JR東日本は経営効率化を目的に、2024年度までに「みどりの窓口」を7〜8割削減することが明らかになった。削減では、新幹線や特急停車駅、拠点駅などを除いて廃止する考えで、JR西日本も昨年12月に大幅に削減すると発表していた。背景に、自動券売機や予約サイトで購入したり、ICカードを使ったりする人が近年増えてきていることも挙げられている。また、併せて、ホームの安全確認などを人工知能(AI)を搭載したモニター監視の導入で無人駅化を推進していくことも検討している。
5月7日開催された衆院厚生労働委員会で、一定の収入がある75歳以上の医療費窓口負担が現行の1割から2割へ引き上げる医療制度改革関連法が賛成多数で可決し、近く衆院本会議で可決される。膨らみ続ける医療費を抑えるとともに現役世代の負担を抑制する狙いがある。単身の75歳高齢者では年金を含む年収200万円以上、夫婦世帯では合計年収320万円以上が対象となる。実施時期については、2022年度後半とするとしている。
JA全農の通販サイト「JAタウン」の2020年度取扱額は前年比117%増の28億円に上ることが明らかになった。新型コロナ禍での「巣ごもり需要」が背景にあり、全国各地のJAグールプ組織の出店により、国産農畜産物の品揃えが豊富なこともあり、売上高を伸ばしている。とくに、人気が高いのは、かんきつ、サクランボなどの果実、牛肉をはじめとした肉類となっている。2021年度の取扱額目標を50億円に掲げ、出店者に一層充実した品揃えを呼び掛けていくとしている。
総務省の発表によると、今年4月1日時点での人口推計を基に算出された14歳以下の「子ども」の数は1493万人だった。前年から19万人少なく、40年連続で減少している。総人口に占める割合も、11.9%で47年連続の低下となっている。子どもの内訳をみると、男子が765万人、女子が728万人だった。さらに、3歳ごとの年齢層別にみると、12〜14歳が324万人だったのに対し、0〜2歳は265万人と、低年齢になるほど少なく、同省では「出生数を反映している」とみている。
厚生労働省はうつ病などの精神疾患や心の不調に悩む人を支える「心のサポーター」を始めると発表した。今年度から2033年度末までに、自治体の住民向け講座の開催を通じて養成し、100万人の確保を目指すとしている。同省では、心のサポーターのなり手として、心の不調を抱える人の家族や友人、職場の同僚、企業の労務管理者を想定している。これまで、同様の取り組みとしては自殺の兆候を見つけ専門機関に繋ぐ「ゲートキーパー」や、認知症の人とその家族を支える「認知症サポーター」がある。
共同通信が全国の18歳以上の男女を対象にした世論調査で、憲法で保障する「男女平等」について、「実現していない」「あまり実現していない」と思う人が64%だったことが分かった。「実現していない」とみる向きは、女性が70%、男性が57%で、男女差がみられた。女性が各分野のリーダーになるために必要なことを尋ねたところ(複数回答)、「男性の抵抗感をなくす」が最多の59%で、「家事や育児、介護等との両立を進める」(55%)が挙げられた。女性首相の誕生について、「期待する」「どちらかといえば期待する」人は77%と、肯定的だった。
日比谷花壇の意識調査によると、「母の日」に贈り物をする人は74.9%に上ることが分かった。贈る物を尋ねたところ、「お花をプレゼント」が最多の27.8%で、「お花とプレゼントを贈る」(25.1%)、「お花以外のプレゼントを贈る」(22.0%)が続いた。予算は、「3千円未満」「3千円から5千円未満」がともに3割台で、5千円未満という予算が全体の6割以上を占めていた。一方、受け取る側で、もらうと嬉しい花のタイプを尋ねたところ、「長く楽しめる鉢植え」が最多の30.2%だった。