社会・経済ニュース
2021年06月29日号
総務省が発表した国勢調査の速報値によると、2020年10月1日時点での日本の総人口は1億2622万6568人だったことが明らかになった。初めて減少に転じた5年前の国勢調査から約86万8千人減少し、本格的な人口減社会に転じたことになる。国連推計で日本の人口は、1950年以降上位10カ国にとどまっていたが、今回の調査結果で、初めて世界で11番目となった。人口の集中傾向が見られ、東京圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)の人口は5年間で80万人増え、総人口の29.3%を占めた。
厚生労働省が発表した2020年度国民年金保険料の納付状況によると、全額免除・猶予者は前年度比26万人増の609万人となったことが分かった。新型コロナの影響で収入が激減したことで、免除・猶予を受けた人が増えたもので、基礎年金制度が導入された1986年度以降で最多となった。なお、国民年金の納付率を年代別にみると、55〜59歳が78.9%で最も高く、25〜29歳が59.5%で最も低くなっている。
関西電力は6月23日、運転開始から44年を超えている美浜原発3号機を再稼働させた。原子力発電の運転期間については運転期間を「原則40年、最長で延長20年」とする現行のルールの下で、国内で初めて延長しての運転再開となった。我が国で新たに原発が増設される見通しが厳しい中で、現実的な選択肢として、美浜原発の再稼働は原発の「60年運転時代」に本格的に入ったことをすることを意味している。国民の安全性への懸念は値強く、政府は原発依存度を低減させる姿勢を見せている。
帝国データバンクの調査で、2020年度の家具・インテリア市場(事業者売上高ベース)は前年度比6.1%増の1兆5000億円となったことが分かった。コロナによる緊急事態宣言で店舗の営業時間の短縮や休業、来店客の減少などがあったものの、多くの人が在宅する時間が増え、日用品などの生活雑貨やインテリア用品、収納家具などの購入し、売上が大きく伸びた。また、都市部では、自宅のテレワーク環境を整えるため、オフィスワーク家具の売上げが大幅に増え、コロナが追い風となり、大きく売上高を伸ばした。
厚生労働省の集計によると、新型コロナウイルスで生活が困窮する世帯に無利子で貸し出す「特例貸し付け」が昨年3月から6月19日まで貸し付けた金額は1兆130億円となり、1兆円を超えていることが分かった。失業や休業、雇止めなどにより収入が減少していることが続いている実態が背景にある。リーマン・ショックの影響を受けた2009年度の50倍にも達しており、深刻な影響が伺える。貸し付けの内訳では、緊急小口が2346億円、総合支援が7784億円となっている。
警察庁の集計によると、2020年中に認知症やその疑いで行方不明となり、警察に届け出があったのは過去最多の1万7565人だった。2012年の統計開始から8年間で1.83倍にも増加している。厚労省の推計によると、団塊世代が75歳以上となる2025年には、高齢者の5人に1人が認知症になるとしており、行方不明の早期発見に向け、自治体は民間組織都連令したネットワークの構築が急がれる。認知症による行方不明者は大阪が最多の1990人だった。
日銀は2021年1〜3月期資金循環統計で、家計が保有する金融資産は3月時点で前年同月比7.1%増の1946兆円となったと発表した。過去最高となった背景には、新型コロナウイルス感染拡大で消費が抑制されたことに加え、株価上昇により資産が増えたとみている。内訳をみると、現金・預金は5.5%増の1056兆円、株式などは32.1%増の195兆円、投資信託は33.9%増の84兆円となっている。現金・預金が金融資産の5割超を占め、依然、安全志向が強いことを浮き彫りにしている。
日本生活習慣病予防協会が全国20〜69歳の男女を対象にした調査で、最もかかりたくない生活習慣病を尋ねたところ、「糖尿病」(43%)が最多だったことが分かった。次いで、「メタボリック症候群」「高血圧症」「内臓脂肪型肥満」「脂質異常症」が続いた。また、生活習慣病を扱う内科医100人を対象に、コロナ禍で糖尿病のリスクを尋ねたところ、「高まった」(30%)、「やや高まった」(50%)と答え、8割の医師がコロナ禍で糖尿病のリスクが高まったことを指摘している。