社会・経済ニュース
2021年07月13日号
東京五輪、首都圏の会場は無観客開催
国際オリンピック委員会(IOC)や大会組織委員会など5者協議が7月8日開催され、東京五輪の首都圏会場(東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県)の全てで無観客開催とすることを決定した。新型コロナ感染拡大防止の観点からの措置で、近代五輪史上で異例の開催形式となった。経済効果への影響も少なくなく、野村総合研究所では、東京五輪・パラリンピックが観客制限のない場合と比べ、経済効果は1309億円減少すると試算している。

11%の人がワクチン接種「受けたくない」
国立精神・神経医療研究センターが全都道府県の15〜79歳の男女を対象に、新型コロナワクチン接種の意向を尋ねたところ、「受けたい」「様子を見てから受けたい」という接種を受けたいとする向きは88.7%だった。その一方で、「受けたくない」と考えている回答は11.3%だった。接種を受けたくないとする向きを男女・年代別にみると、女性は15〜39歳が15.6%で最も高く、男性も同世代が14.2%で最も高く、若い世代ほど接種を受けたくないとの意向を示した。「受けたくない」理由では、「副反応が心配」(73.9%)が最も多かった。

東京に4度目の緊急事態宣言を発令
菅首相は新型コロナウイルス感染症対策本部会合を開催し、東京都に4度目となる緊急事態宣言を発令することを決定した。7月12日に発令し、8月22日までを期限とすることとしている。東京都に4度目となる緊急事態宣言を発令する理由として、感染力が強いインド由来のデルタ株の拡大を警戒したことや、東京を起点とした移動により感染が全国に拡がる可能性があることを挙げている。感染リスクのある飲食については、引き続き酒類提供の厳格化を求めるとしている。

コロナ死者数、世界で400万人超に
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、7月8日時点で新型コロナウイルス感染症の死者は世界全体で400万人を超えたことが明らかになった。100万人増加に要した日数は過去最短の82日で、世界保健機関(WHO)は「非常に危険な時期に入っている」と警鐘を鳴らしている。感染者数は5月以降減少傾向が見られていたが、6月下旬からはデルタ株の猛威から2週間連続で増加に転じてきており、収束が見えない状況にある。感染者数は7月8日時点で、1億8500万人に達している。

5月残業代、20%増と大幅に拡大
厚生労働省の5月の毎月勤労統計調査によると、残業代である所定外給与は前年同月比20.7%増の1万7486円と拡大していることが明らかになった。所定外給与は2013年1月以降で最大の増加幅となっている。前年同月は1回目の緊急事態宣言発令が響き、大幅減となっており、その反動がこの5月には出たことになる。所定外給与の増加率を産業別にみると、生活関連・娯楽業が最大の51.9%で、教育・学習支援業(39.0%)、製造業(37.8%)が続いた。

5月消費支出、11%増もコロナ前に戻らず
総務省は2人以上世帯の5月の消費支出は28万1063円となり、物価変動を除いた実質で前年同月比11.6%増となったと発表した。昨年4月から5月にかけては、新型コロナウイルス感染拡大への対応で発令された緊急事態宣言が響き、大きく落ち込んでおり、今年5月の消費支出の増加はその反動が出た形となっている。2019年5月のコロナ以前の対比では6.5%減となっており、コロナ以前の水準には戻っていないのが実情である。

2021年入社の高卒者の4割が既に離職
高卒採用支援を行うジンジブが新卒採用担当者を対象にした調査によると、6月時点で、2021年入社の高卒者で既に離職が「いる」と答えたのは36.9%に上ることが明らかになった。早期に離職している高卒者が出ていることについて、同社では「新型コロナウイルス感染拡大の影響で就職活動スケジュールの短縮や志望職種を変更、職場見学に参加できないままに入社するなど、コロナ禍で制限された状況の中での就職活動により入社後のミスマッチが起きたのではないか」と分析している。

小6男子、就きたい職業は「スポーツ選手」
クラレが今春小学校を卒業した子どもとその親を対象に、「将来就きたい職業」「就かせたい職業」を聞いた調査結果によると、男子は「スポーツ選手」、女子は「看護師」がそれぞれ1位だった。一方、男子の親が就かせたい職業は「公務員」、女子の親が就かせたい職業は「看護師」がそれぞれ1位だった。男子とその親が望む職業では志向に開きがみられたが、女子とその親は就きたい職業の志向の一致が見られた。