社会・経済ニュース
2021年08月24日号
8月18日、政府は新型コロナウイルスワクチンを1回接種した人は6399万人に上り、人口の50.3%を超えたと発表した。2回目接種は4935万人で人口の38.8%だった。コロナ感染で重症化しやすいとして優先された65歳以上では、1回目が3141万人〈88.5%〉、2回目が3004万人〈84.7%〉となっている。今後は感染拡大を防ぐ上から現役世代への接種が最重要課題となっている。
共同通信社の世論調査によると、政府の新型コロナウイルス患者病床確保に関して、「不安を感じている」男性は74.0%で、女性が85.4%に達し、女性の多くが病床確保に不安を強めていることが明らかになった。年代別に病床確保で不安を抱く向きをみると、30代以下の若年層が74.1%、40〜50代の中年層が80.9%、60代以上の高年層で83.2%と、年齢が高いほど、不安を抱く傾向があった。
経済産業省の調べによると、2020年のクレジットカードやQRコードなどによるキャッシュレス決済の比率は29.7%となったことが分かった。2020年までの10年間で倍増したことになり、とくに新型コロナウイルス感染予防の観点からキャッシュレス決済の比率が増加したことなどが背景にある。政府が2019年10月の消費税増税に対応して実施されたキャッシュレス決済でのポイント還元を実施したことも比率増加の一因となった。
総務省消防庁の検討会がまとめた報告書は、減少が続いている消防団員の確保で、実質報酬の引き上げや広報活動の積極的な展開を求めた。報告書では、処遇改善を図るため、国に対し財政措置を講ずるよう求めている。消防庁のまとめによると、2020年4月時点での出勤時の手当てを定額で支給している1046町村のうち、5千円以下が9割を占めており、報告書では出勤報酬を1日当たり7千円〜8千円程度適当として改善を求めている。また、若者向けに会員制交流サイト〈SNS〉活用を提言した。
政府は8月20日から9月12日まで新型コロナウイルス緊急事態宣言を13都府県に拡大するとともに、まん延防止等重点措置について16道県を対象に講ずることとした。これら行動制限の強化対象は29都道府県に及び、全人口の約84%に及ぶこととなった。新型コロナ対策に臨む専門家組織は「災害レベル」の状況であることを指摘しつつ、医療体制の重大で深刻な影響があることも危惧されており、感染状況の推移によっては、対象地域が一段と広がりかねない状況にある。
ソニー生命保険が中高生を対象にした調査で「将来なりたい職業」を尋ねたところ、男子の中高生の1位は「ユーチューバー」だったことが分かった。男子中学生の2位は「プロeスポーツプレーヤー」、3位は「会社経営者、起業家」で、男子高校生の2位は「会社経営者、起業家」、3位が「ITエンジニア・プログラマー」となっている。一方、女子中学生の首位は「歌手、俳優、声優」で、2位に「ユーチューバー」で、女子高生の首位は「公務員」「看護師」が共に並び、2位に「教員」「歌手、俳優、声優」だった。
8月20日、東京株式市場の日経平均株価の終値が今年最安値を更新する2万7013円25銭となった。今年1月6日に今年最安値だった2万7055円94銭を更新した。背景には、新型コロナ感染拡大により日本経済への先行き不安が増し、投資家心理を冷やしたことが挙げられている。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では「日本のワクチン接種の遅れが景況感の悪化につながった」と指摘したうえで、「製造業の業績にコロナの影響が及ぶ恐れもあり、当面、平均株価の下押し圧力がかかる」とみている。
東京農工大などの研究グループは納豆から抽出した成分を培養した細胞に新型コロナウイルスを感染させる試験管の実験を行ったところ、感染を阻害したと発表した。実験は、納豆10グラムに生理食塩水を加えて遠心分離機で抽出液を作成し、試験管内でコロナウイルスと混合した上で培養細胞に加えて調べたもの。結果、納豆抽出液はウイルスが感染する際に必要なスパイクタンパク質を分解し、感染を阻害することを突き止めた。この作用は、アルファ型〈英国型〉の変異株でも認められた。