社会・経済ニュース
2021年10月26日号
財務省は2021年度上半期(4〜9月)貿易統計で貿易収支は3898億円の赤字となったと発表した。原油価格の高騰に加え円安が進んだことでの赤字となったもので、半期ベースで2期ぶりの赤字となった。また、9月の貿易収支でみると、6228億円の赤字で、原油価格の高騰に加えて、部品調達が難航して減産を強いられた自動車の輸出額が前年同月比40.3%もの急激な落ち込みとなった。国別貿易収支では、米国が2兆9202億円の黒字だったものの、対中国は9675億円の赤字となっている。
健康保険組合連合会(健保連)の発表によると、2020年度の決算見込みは1388組合全体で2952億円の黒字だったことが明らかになった。健保連は大企業の社員ら約2882万人が加入している健康保険組合。新型コロナウイルス感染拡大で受診を控える動きが広がったことを背景に、保険給付が前年度比2113億円減ったことから黒字となり、黒字額は前年度比454億円増えている。健保連では「受診控えという特殊事情で黒字が維持できた」としながらも、「依然、厳しい財政状況が続く」とみている。
米財務省は、2021年会計年度(2020年10月〜2021年9月)の財政赤字は2兆7700億ドル(約315兆円)となったと発表した。前年度は過去最大の3兆1000億ドルの財政赤字となっており、これに次ぐ2番目の規模となった。背景には、前年度に続いて、新型コロナウイルス対応での財政出動により歳出が大きく膨らんだことが挙げられている。
公益財団法人介護労働安定センターが行った調査によると、介護が必要な人の自宅を訪問して日常生活を支えるホームヘルパー(訪問介護者)のうち、65歳以上の割合は25.6%に上ることが分かった。65歳以上の割合は。ホームヘルパー以外に、看護職などを含む介護事業者の従業員全体では12.3%、それ以外の一般の介護職が9.4%となっている。平均年齢は50.9歳だった。また、ヘルパー不足を感じている事業所は80.1%に上り、人手不足の実態にあることが明らかになった。
世界銀行は2021年エネルギー価格が前年比で83.4%上昇するとの予測を発表した。世銀の予測によると、2021年の原油価格は69.7%上昇の1バーレル=平均70ドルとなり、20222年も平均74ドルで高止まりするとみている。従来予測を超えるエネルギー価格の上昇により、「短期的には世界的なインフレの大きなリスクとなり、長期化すればエネルギー輸入国にとって足かせになる」と世銀では報告書で分析している。
厚生労働省の発表によると、2018年に3月に大学を卒業して就職した人のうち3年以内に仕事を辞めた割合は前年比1.6%減の31.2%だったことが分かった。3年内離職率は依然3割台にあるが、同省担当者は「2020年度はコロナ禍で雇用環境が悪化したため、転職活動を控えたのではないか」と僅か減少したことについて分析している。高卒者でみると、同2.6ポイント減の36.9%となっている。
生命保険協会の発表によると、9月の保険金や給付金の支払いは過去最多の10万2579件となったことが明らかになった。支払われた保険金や給付金も約181億円となり、過去最多となった。新型コロナウイルス感染拡大が保険金・給付金支払いを増加させたことが背景にある。支払い内訳をみると、死亡保険金が1268件で約73億円、入院給付金が10万1311件で約108億円となっている。生保各社は新型コロナ感染者に、保険金や入院給付金だけでなく、自宅療養者にも入院給付金を支払う特別措置が講じられたことにより支払額が増えている。
リクルートが東京都内の20〜59歳の会社員に「地方や郊外に興味があるか」を尋ねたところ、「とても興味がある」「興味がある」と答えた人は46.6%に上ることが分かった。同社では「新型コロナ禍でテレワークが広がり、柔軟な働き方が可能になったことが影響している」とみている。興味があると答えた人が想定している地方・郊外への移動所要時間は「1時間から2時間以内」が最多の43.3%で、「1時間以内」(31.8%)、「2時間以上」(15.6%)が続いた。