社会・経済ニュース
2021年11月02日号
内閣府は10月の消費動向調査で、向こう半年間の消費者心理を示す消費者態度指数(2人以上世帯)は前月比39.2だったと発表した。2か月連続での上昇で、コロナ禍前の2019年12月の水準(39.1)を回復したことになる。基調判断では、9月の「依然として厳しい」との表現を削除し、「持ち直しの動きが続いている」と4か月ぶりに上方修正した。指数を構成する4指標のうち、「雇用環境」「収入の増え方」が改善し、「暮らし向き」「耐久消費財の買い時判断」はわずかに下がった。
厚生労働省が社会保障審議会の医療保険部会に国民健康保険(国保)の保険料の年間上限額を来年度から3万円引き上げて、年額102万円とする方針を示した。保険料の引き上げ対象となるのは単身で年収約1140万円以上の世帯となり、全体の1.58%が保険料引き上げ対象。国保は医療費給付の増加が見込まれており、その対応としての保険料引き上げとなるが、高所得者の負担を厚くし、中所得層以下の負担が増えないよう配慮した狙いが伺える。
世界保健機関(WHO)の緊急委員会定例会合で、新型コロナウイルスに関して、ワクチンや治療薬の普及で進展はみられるものの、「パンデミック(世界的大流行)の収束は遠い」と指摘した。とくに、ワクチンの普及が進まないアフリカについて年内までに人口の40%にワクチン接種を完了させるとともに、WHOが緊急使用を承認した全てのワクチンを認可するよう勧告した。さらに、WHOは次世代ワクチン開発や変異株などに関する研究を急ぐよう提言している。
共同通信の集計調査で、都道府県職員の2021年度給与改定に関する人事委員会勧告により期末・勤勉手当(ボーナス)は全都道府県で引き下げとなることが分かった。新型コロナウイルス感染拡大で民間企業のボーナスが減っていることに対応した勧告に基づいたもの。給与は民間企業水準と大きな差異はないとして、都道府県の全てで据え置きとなった。勧告に基づき改定された場合、行政職の平均年収が最も低いのは鳥取の548万円(平均43.2歳)で、最も高い東京は665万円(同41.1歳)となる。
イエレン米財務長官は、世界的な半導体不足やエネルギー価格の上昇でインフレ圧力が強まっていることに関し、「インフレは深刻な供給網の目詰まりによる一時的な現象」との見方を示した。その上で、「エネルギー価格は今後、数か月で鈍化し、供給が調整され、物価上昇は正常化して2022年下半期までにインフレ率は低下する」との見方を示した。また、コロナ流行が収束し、人々が職場復帰し国内総生産の伸びが上向き、失業は減るとの見解も示した。
厚生労働省は9月の新規求人数は前年同月比6.6%増の80万8144人だったと発表した。主要産業別にみると、製造業が同32.4%もの大幅な増加で、情報通信業が同9.0%増、建設業が住宅建設や改修工事の需要を背景に同5.7%増となっている。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の影響が直撃して営業自粛となった宿泊・飲食業は同7.5%減だった。新規求人で、コロナの影響による回復の差がみられた。
自動車の国内大手8社の9月の国内生産台数は39万8075台になったことが明らかになった。前年同月比49.7%減となり、コロナ感染拡大が響いた昨年5月(同61.8%減)以来の下落幅となった。背景には、世界的な半導体不足に加え、コロナ流行が深刻化したマレーシアをはじめ東南アジアからの部品調達が停滞し、生産が大きく落ち込んだことが挙げられている。第一生命経済研究所では「日本の景気後退の元凶の1つとなる可能性がある」と指摘している。大手8社の世界生産は同35.5%減の155万9465台だった。
三井住友カードが発表した「キャッシュレスデータで見る2021年ヒット商品番付」で、横綱に輝いたのは「生鮮食品」だった。番付は同社が保有するキャッシュレスデータを基にしたもので、横綱の「生鮮食品」は、リアル店舗で+142%、オンラインで+160%の伸びで、コロナ禍での巣ごもり消費を浮き彫りにしている。大関にはリアル店舗が「ペット関連」(+120%)、オンラインが「映画・動画」(+107%)となり、関脇には、リアル店舗が「コンビニ食品」(+74%)、オンラインが「ホビー・娯楽品」(+71%)となった。