社会・経済ニュース
2021年11月16日号
日銀は10月の国内企業物価指数(2015年=100)は前年同月比8.0%上昇の107.8だったと発表した。上昇率は第2次石油危機の影響のあった1981年1月(8.6%上昇)以来、40年9か月ぶり高さとなった。原油高や円安進行が背景にあり、発表されている744品目中、437品目が上昇している。とくに、品目別では、木材・木製品が57.0%、石油・石炭製品が44.5%、非鉄金属が31.4%、それぞれ上昇している。
国立がんセンターの発表によると、2005〜08年に「がん」と診断された人の10年後の生存率は58.9%だったことが分かった。前回調査(2004〜07年)より0.6ポイント上昇するとともに、2011〜13年に診断された5年生存率は68.9%で前回調査より0.3ポイント上昇し、生存率は微増傾向にある。部位別にみると、10年生存率は「膵臓がん」が6.6%、「肝臓がん」が17.6%と低く、「前立腺がん」(99.2%)、「乳がん」(87.5%)は高かった。
内閣府は全国の景気ウォッチャー調査で街角の景気実感を示す現状判断指数が前月比13.4ポイント上昇の55.5となったと発表した。2014年1月以来、7年9か月ぶりの高水準となった背景には、新型コロナウイルスによる感染者数が減少し、小売りや飲食分野での客足回復に期待感が高まったことが挙げられている。内閣府では「新型コロナ感染症の影響は残るものの、緩やかに持ち直している」として、2か月連続で判断を引き上げた。
全国さんま棒受網漁業協同組合の発表によると、今年10月末時点での全国のサンマ漁獲量は9440万トンにとどまり、過去最低だったことが明らかになった。これまで最低だった昨年同期の1万2913トンに比べ27%減の水揚げにとどまっている。同組合では、大幅な減少となったことについて「主な漁場が昨年より遠いことに加え、しけが続き思うように漁ができていない」ことを挙げたうえで、「このままでは漁期を通じて過去最低だった昨年を下回る」との見方を示している。
総務省の労働力調査によると、求職しているものの1年以上仕事が見つからない長期失業者は7〜9月期に66万人おり、前年同期より18万人増えていることが明らかになった。4〜6月期の72万人より減少しているものの高止まりしている。また、厚生労働省が全国の労働局やハローワークを通じて解雇・雇止めの状況を集計したところ、昨年2月から今年11月9日時点までで12万99人に上った。業種別にみると、製造業が最多の2万7900人で、小売業、飲食業、宿泊業はそれぞれ1万人で続いている。
消費者庁が全国の男女を対象にした意識調査で、まだ食べられる食品を廃棄する「食品ロス」を削減する取り組みを尋ねたところ〈複数回答〉、最多は「残さずに食べる」(69.5%)だった。次いで、「冷凍保存を活用する」(46.4%)、「賞味期限を過ぎた食品でも食べられるかどうか判断する」(44.1%)、「料理を作り過ぎない」(41.7%)、「日頃から冷蔵庫の食材の種類、量、期限表示を確認する」(27.6%)が続いた。ちなみに、「食品ロス」問題を知っている人は79.4%に上っていた。
厚生労働省の発表によると、2019年度に全国の医療機関に支払われた医療費の総額は44兆3895億円だったことが明らかになった。前年度比2.3%増になり、過去最高を更新した。国民1人当たりに換算すると、35万1800円となる。国民医療費が国民所得に占める割合は11.06%だった。年代別にみると65歳以上の高齢者が27兆629億円で、全体の61.0%を占めていた。診療種類別にみると、医科診療が全体の72%を占める31兆9583億円で、薬局調剤は7兆8411億円、歯科が3兆150億円だった。
国立がん研究センターなどの研究グループは日本を含む東アジア4カ国を対象にした研究で、7時間睡眠の人は男女ともに死亡リスクが低いと発表した。4カ国の男女32万人余を対象に、睡眠な時間と死亡との関連を解析。両者の関係を及ぼす因子を探った研究で、睡眠時間が7時間の場合、男女とも死亡リスクは最も低かった。それより短くても長くてもリスクが上昇する相関がみられた。また、65歳以上と未満に分類し解析したところ、男性は睡眠時間と死亡との関連に影響していたが、女性は影響しなかった。