社会・経済ニュース
2021年12月07日号
経済協力開発機構(OECD)が発表した2021年の世界全体の経済成長率は9月時点より0.1ポイント引き下げて5.6%になるとの見通しを示した。エネルギ価格の高騰によるインフレ懸念や世界的な半導体不足、さらには新型コロナウイルスの新たな変異株などの不安要因が重なり、経済成長が鈍化するとみている。日本については2021年は0.7ポイント引き下げの1.8%と見込み、2022年は3.4%と予測している。
2020年国勢調査の確定値によると、人口に占める65歳以上の割合(高齢化率)は、全国平均で28.6%になったことが明らかになった。都道府県別にみると、秋田が2015年の前回調査から3.7%増の37.5%で、全国で最も高かった。次いで、高知(35.5%)、山口(34.6%)が続き、全国で30%を上回ったのは30道県に上っている。市区町村でみると、群馬県南牧村の65.2%が最も高く、長野県天龍村(62.1%)、群馬県神流村(61.5%)が続いた。
農林水産省のまとめによると、2021年1〜10月の農林水産物・食品の輸出額は前年同期比28%増の9734億円に達したことが明らかになった。これにより政府が当面の目標とする2021年の1兆円突破は確実となり、初めて1兆円を超えることとなった。また、10月の輸出額は前年同月比14.9%増の1054億円となり、単月としては過去最高となった。新型コロナウイルス感染拡大で米国や中国など手の外食需要が拡大していることが要因だとしている。
国連の国際電気通信連合(ITU)の発表によると、インターネットを一度も利用したことのない人は世界で約29億人に上るとの推計が明らかになった。世界人口の37%に相当し、このうち96%が発展途上国で暮らす人々だとITUでみており、同連合では「誰一人として置き去りにしない考えである」として支援強化の考えを示している。また、ITUでは世界のネット利用者は2019年に41億人だったが、2021年は新型コロナウイルス感染拡大で増加したことで49億人に達したとしている。
主要半導体メーカーで構成される世界半導体市場統計(WSTS)は、2022年の市場規模は世界全体で前年比8.8%増の6014億ドル(約66兆円)に上ると予測していることが分かった。過去最高を更新するとの予測する背景には、情報機器やデータ記憶に使われるメモリーの需要が大幅に増えるものと分析している。日本市場は同9.3%増の476億ドルを予測している。世界的な半導体需要への高まりから安定した確保に向け自国生産拠点の誘致が加速すると見られている。
政府は、まだ食べられるのに捨てられた「食品ロス」は2019年度に570万トン発生したとの推計結果を発表した。推計を開始した2012年度以降で最少となり、4年連続での減少となった。減少した要因として、山口環境相は「一概には言えないが、国民運動として削減に取り組んだことが大きい」としている。そのうえで、政府が掲げる2030年度に2000年度比で半減の489万トンにするとの目標に関して、同相は「積極的に取り組んでほしい」と呼び掛けている。
国内自動車大手8社が発表した10月の国内生産台数は前年同月比40.2%減の48万台にとどまることが分かった。3か月連続で前年割れとなった背景には、世界的な半導体の供給不足に加え、東南アジアでの新型コロナ感染拡大で部品調達が難航していることが挙げられている。11月に入り、コロナ変異株「オミクロン株」による感染拡大も危惧されており、大幅な改善が進むかどうかが懸念材料となりつつある。また、8社の10月の世界生産台数は同24.2%減の184万台、世界販売は同19.4%減の185万台だった。
2021ユーキャン新語・流行語大賞に、アメリカン・リーグ最優秀選手(MVP)に選出された米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手を称える「リアル二刀流/ショータイム」が年間大賞に選出された。トップテンには、新型コロナウイルス感染拡大に因んだ「人流」や「黙食」、さらに東京五輪・パラリンピックに因んだ「ゴン攻め/ビッタビタ」「スギムライジング」が選ばれた。また、生まれた時からデジタルが身近な世代を象徴する「Z世代」もトップテン入りした。