社会・経済ニュース
2022年01月04日号
2022年度予算、10年連続で過去最大
閣議決定された2022年度予算案によると、歳出総額は107兆5964億円で、10年連続で過去最大を更新することとなった。歳出は、高齢化を背景に年金や医療の社会保障費が大幅に膨らみ、2021年度当初予算より9867億円増えている。歳入では、企業業績の回復から法人税や所得税の税収増で過去最高を見込んでいる。新たな国債発行額は2年ぶりに減少の36兆円9260億円を見込んでいるが、2022年度末の国債残高は国内総生産(GDP)の2倍弱の1026兆円に達する見通しにある。

健康寿命、男女ともに延びる
厚生労働省が3年ごとに発表している「健康寿命」によると、2019年は男性が72.68歳、女性が75.38歳だったことが明らかになった。健康寿命は、介護を受けたり、寝たきりになったりせずに日常生活を送れる期間を示すもので、前回調査の2016年と比べ、男性が0.54歳、女性が0.59歳、それぞれ延びている。また、2019年は平均寿命との差が、男性で8.73歳、女性で12.07歳となり、健康寿命との差が縮小していた。都道府県ごとに健康寿命が最長だったのは、男性が大分県の73.72歳、女性が三重県の77.58歳だった。

景気判断、1年5か月ぶりに引き上げ
政府は12月の月例経済報告で景気の基調判断を「新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和される中、このところ持ち直しの動きが見られる」として、1年5か月ぶりに引き上げた。個人消費は「持ち直している」と2か月連続で上方修正するとともに、企業の業況判断についても5か月ぶりに引き上げた。他方、設備投資は「持ち直しに足踏みがみられる」として1年1か月ぶりに下方修正し、住宅建設は「横ばいとなっている」として引き下げた。

新成人、過去最少の120万人
総務省は人口推計で2022年1月1日時点の20歳の新成人は120万人と発表した。男性が61万人、女性が59万人となっている。新成人は、前年比4万人減で、過去最少を更新しており、総人口に占める割合は0.96%となり、12年連続で1%を割り込んでいる。新成人は1994年の207万人をピークに、1995年以降、減少傾向が続いている。また、同省の発表によると、「干支」である「寅年」生まれは1025万人となっている。

上位1%の富裕層が「富」の38%を保有
フランスの経済学者トマ・ピケティ氏らが主催する「世界不平等研究所」は、世界上位1%(約5100万人)の超富裕層の資産が世界全体の個人資産の37.8%を保有していると発表した。下位50%(約25億人)の資産は全体の僅か2%にとどまり、資産格差が明瞭な状態にある。とくに、新型コロナウイルス禍で世界各国が財政出動したことで、株式などの資産価値が急騰したこともあり、格差拡大が広がったと報告書で指摘している。

2021年の平均気温、最高を更新
気象庁が発表した2021年の天候まとめによると、全国の平均気温は平年値(2020年までの30年平均)より0.65度高かった。統計を開始した1898年以降で最高値を更新した。同庁によると、年平均気温は北日本で0.9度、東日本で0.6度、西日本で0.6度、平年を上回っていた。平均気温が最高値を更新したことについて、同庁では「地球温暖化が主な要因だ」と指摘している。また、台風の状況では発生数は平年より少ない22個で、日本への接近は平年並みの12個だった。

出生数、初めて90万人を割り込む
厚生労働省の推計値によると、2021年の出生者数は80万5千人程度となることが分かった。前年比4.3%減となり、直近5年間を平均した減少率3.5%を上回るものとなっている。2017年に国立社会保障・人口問題研究所が発表した直近の将来推計人口によると、出生数が80万人台となる予測しているは2028年の80.9万人で、これより7年早く出生数が減少しており、我が国の少子化のスピードが早まっていることを浮き彫りにしている。

家族による高齢者虐待、過去最多に
厚生労働省の発表によると、2020年度に家族や親族による高齢者への虐待件数は1万7281件に上ったことが明らかになった。これまで最多だった2018年度(1万7249件)を上回り、過去最多を更新した。暴力や拘束といった身体的虐待が最多だった。虐待の発生要因は、虐待者の「介護疲れ・ストレス」「精神状態が安定していない」ほか、高齢者の状況では「認知症の症状」が多く挙げられた。虐待したのは息子が40%で最多で、件数自体は減ったものの介護職員の虐待もあった。