社会・経済ニュース
2022年02月01日号
1月29日時点での全国の新型コロナウイルス感染者数は過去最多の8万4937人に上った。2日連続の8万人超えとなり、1週前と比べ、約1.5倍に増えている。また、感染者の増加に伴い、病床使用率が11府県省で50%を超えており、医療のひっ迫が危惧されてきている。病床使用率が最も高かったのは和歌山の89.5%だった。現在、まん延防止等重点措置が34都道府県で適用されているが、第6波の感染のピークは不透明である。
資源エネルギー庁は1月24日時点でのレギュラーガソリンの小売価格は1リットルあたり170円20銭だったと発表した。3週連続での値上がりで、170円台となったのは13年4か月ぶりとなる。原油先物価格が上昇していることに加え、ウクライナを巡るロシアと米国などNATOとの対立から産油国であるロシアからの供給混乱が生ずるのではないかとする懸念が一段と原油価格を押し上げている。レギュラーガソリン価格が最も高かったのは長野県での1リットルあたり177円90銭だった。
内閣府の国民経済計算によると、2020年末時点での一般国民や自営業などを合わせた家計の資産残高は3072兆7千億円に上ることが明らかになった。増加は2年連続で、比較可能な1994年以降で過去最高となった。背景には、新型コロナウイルス感染拡大で消費が控えられたことや、国民に一律10万円を交付した特別定額給付金が家計資産残高を押し上げたことが挙げられている。家計資産残高に政府や法人、金融機関などを加えた国全体では、資産から負債を差し引いた正味財産(国富)は0.3%減の3668兆5千億円となっている。
全国健康保険協会(協会けんぽ)の2022年度の全国平均は前年度と同じ10.0%に据え置くことが決定した。都道府県ごとに、かかった医療費や年齢別の加入者数などから決められているが、最も高かったのは佐賀県の11.0%で、逆に、最も低かったのは新潟県の9.51%だった。保険料率の差は1.49ポイントとなった。前年度から引き上げとなったのは29県で、18都道府県は引き下げとなった。新料率は4月納付分(3月支給)から適用となる。
ICT総研の調査によると、昨年12月時点で日本のスマートフォン料金がデータ容量2ギガバイトと20ギガバイトのプランで、欧米などの主要6カ国で最安となったことが分かった。日本の2ギガバイトのプランは1477円、20ギガバイトが2445円となっている。最も料金が高かったのは米国で、データ容量無制限はフランスが最も高かった。ドコモをはじめ携帯各社が政府の料金値下げ要請に基づき、割安プランを導入したことが背景にある。
トヨタ自動車はグループであるダイハツ工業と日野自動車を含めた2021年の世界での販売台数は前年比10.1%増の1049万5548台だったと発表した。2位のフォルクスワーゲンの888万2千台を大きく上回り、2年連続で世界一となった。世界的な半導体不足が叫ばれる中、予め半導体在庫を積み増して備えていたことが奏功したことに加え、主要市場としているアジアや北米での需要を取り込んだことで販売台数を伸ばした。
帝国データバンクが企業を対象にした調査によると、仕入れ単価が前年同月と比較して「上昇した」と答えた企業は64.2%に上ることが分かった。仕入単価が上昇したと答えた企業のうち、販売単価も上昇したとする企業は43.8%で、「変わらない」(47.9%)「低下した」(6.3%)という価格転嫁ができていない企業は54.2%となっており、半数を超える企業で価格転嫁ができていない状況にあった。原油や木材などの原材料価格の高騰で、企業にとっては、いかに価格転嫁を進めるかが、ウイズコロナの時代に重要な企業戦略といえる。
環境省は個人の温室効果ガスの削減量を「見える化」する実証実験を新年度から5か年計画で始めることを発表した。実証実験では、人工知能(Ai)などのデジタル技術を用い、個人のCO2排出量を客観的に証明するシステムを構築し、削減量に応じてポイントなどを付与するとしている。具体的な仕組みとしては、同意を得た個人の行動履歴をIoTやスマートフォンの位置情報アプリなどを通じた脱炭素につながる行動履歴を収集し、一人一人の二酸化炭素の削減量を算出するとしている。