社会・経済ニュース
2022年04月12日号
国際通貨基金(IMF)は日本の2022年成長率予想を1月時点の3.3%から2.4%に引き下げた。IMFが示した報告書には「ウクライナ紛争の深刻化は日本経済にとって多大な下押しリスクだ」として、「貿易への打撃となり、コモディティー(商品価格)の上昇が内需を抑制する可能性がある」と指摘している。さらに、「新型コロナウイルスのパンデミックやウクライナ紛争など不確実性の高まりを踏まえ、迅速に実行可能な緊急時経済対応策の準備を検討してもよいだろう」と日本政府への対応を指摘した。
帝国データバンクの調べによると、2021年度の「100均」ショップ市場は前年比約500億円増の9500億円になる見込みであることが明らかになった。同社では早ければ2022年度に市場規模は1兆円に達するとみている。底堅い需要があるとともに、独自商品や高機能商品などの投入で付加価値を高めたことが支持を高めたとみられている。また、各社とも年間100店舗新規出店を図るなど積極的な店舗展開で多店舗化を進め、2025年度にも1万店を達するとみられている。
国連食糧農業機関(FAO)は、3月の食料価格指数は過去最高となる159.3となったと発表した。価格高騰の背景には、ロシアのウクライナ侵攻による穀物・食用油市場が混乱していることが挙げられている。FAOではウクライナ情勢の緊迫化で食料・飼料価格が値上がりし、世界的に栄養失調が増大する危惧があると表明している。事実、3月の穀物価格指数は17%上昇して過去最高水準に達し、穀物油指数も23%上昇し過去最高を記録している。
政府がコロナ禍で深刻化している孤独・孤立問題に関する全国実態調査を行ったところ、36.4%の人が「孤独だと感じることがある」と答えていることが分かった。孤独だと感じる「きっかけ」を尋ねると(複数回答)、「1人暮らし」「家族との死別」「病気など心身の重大なトラブル」「転校・転職など」の順だった。また、「しばしば・常に孤独を感じる」と答えた人の割合を年代別でみると、30代(7.9%)が最も高く、20代(7.7%)が続き、最も低かったのは70代(1.8%)だった。
財務省は4月5日行った10年物国債の入札で、表面利率をこれまでの年0.1%から年0.2%に引き上げた。10年物国債の利率引き上げは2015年3月以来、7年ぶりとなる。10年物国債の表面利率は1990年のバブル景気末期には7%にまで達することもあったが、日銀の大規模な金融緩和が始まった2013年4月以降は徐々に低下してきていた。今回の10年物国債の利率引上げによって、膨らんできている国の債務に対する利払い費が増えることになり、財政運営の硬直化へとつながりかねない。
米国立ヒトゲノム研究所などの国際チームは、人の遺伝情報「ヒトゲノム」を完全な形で解読したと科学誌サイエンスで発表した。ヒトゲノム解読は2003年に日本も参加した国際プロジェクトによって完了が宣言されていたが、その時点での科学技術では解読が困難な部分が8%残されていたが、国際チームは新しい手法を開発し、約30億対の塩基配列を解読した。榊東大名誉教授は「画期的な成果だ。病気との関係以外にも、人類進化の歴史や細胞分裂の仕組みなど幅広い分野での新発見が期待できる」と話す。
東京商工リサーチのまとめによると、2021年度の全国での企業倒産は5980件となり、57年ぶりに6千件を割り込んだことが分かった。2年連続で前年を下回ったことになり、背景には新型コロナ関連の金融支援策に支えられたことが挙げられている。負債総額も4年連続で前年度を下回った。ただ、負債額が1億円未満の倒産件数は全体の74.6%を占めており、小規模企業を中心とした倒産傾向にある。また、新型コロナウイルス関連倒産は1770件で全体の29.5%を占めている。
文部科学省が初めて小学生を対象に、大人に変わって日常的に家事や家族の世話をする「ヤングケアラー」調査結果によると、小学6年生の6.5%(約15人に1人)が「世話をしている家族がいる」ことが分かった。小学生ケアラーが世話している家族は、「きょうだい」が最多の71.0%で、その73.9%が「幼いきょうだい」だったが、それ以外は「障害や病気」だった。また、「きょうだい」以外に世話している家族は「母」が19.8%で、「父」「祖母」「祖父」だった。