社会・経済ニュース
2022年11月29日号
アジア太平洋経済協力会議(APEC)で採択された首脳宣言で「ロシアのウクライナ侵攻は世界経済に悪影響を与えている」が明記し、エネルギー価格によるインフレ懸念や食料不安が増幅される危惧が示された。また、宣言では「自由で開かれた貿易の推進やサプライチェーン(供給網)の混乱解消に取り組む」と明記された。さらに、新型コロナウイルスで打撃を受けた交通や観光業の競争力を強化するとアフターコロナへの各国の決意も示された。
JR東日本の発表によると、利用者が少ないローカル線で開示対象となる35路線66区間は全て赤字だったことが明らかになった。赤字総額は前年度比28億円減の679億円だったが、路線の維持管理費などのコスト削減により赤字額は減ったものの、運輸収入の大幅な改善は見られなかった。100円の収入を得るために必要な費用である、いわゆる営業係数で最大だったのは「陸羽東線:鳴子温泉−最上」間の2万31円が最大だった。
厚生労働省が従業員100人以上の企業2020社を対象にした調査で、今年、従業員の賃金を上げたか、これから上げると答えた企業は85.7%だったことが分かった。過去2年は新型コロナウイルス感染拡大で連続して減少していたが、3年ぶりに上昇に転じた。1人当たりの平均賃金の引き上げ額は月額5828円だった。業種別にみると、賃金引き上げの割合が高かったのは建設業で、逆に引き下げ割合が高かったのは娯楽業だった。同省では「コロナ以前の状況には完全に戻っていない」とみている。
警察庁の調べによると、75歳以上の高齢者の運転免許保有者は昨年末時点で609万8474人に上ることが明らかになった。2019年の約580万人から毎年10万人近く増え続けてきており、今後も75歳以上の免許保有者数は高齢化を背景に今後も増加するとみられている。また、75歳以上の高齢者が免許更新する際には認知症の有無を確認する「認知機能検査」義務付けられているが、昨年の検査受験者は約226万人で、このうち49万人が「認知機能低下の恐れがある」と判定され、さらに5万1940人が「認知症の恐れがある」とされた。
内閣府が行った2020年7月から開始されたレジ袋の有料化や今年4月から施行されたプラスチック製品削減を義務づけるプラスチック資源循環法で、世の中の認識や行動がどう変わったかの調査で、有料化後からレジ袋を辞退している人は44.1%に上ることが分かった。有料化以前から辞退している人などを加えると9割近い人がレジ袋を辞退している結果となった。また、レジ袋の有料化などでマイバックやマイボトルの持参、スプーンの辞退など具体的な行動を行うようになった人は58.8%だった。
経済協力開発機構(OECD)が加盟する38カ国を対象に大学などの高等教育機関で働く教員に占める割合を調べたところ、平均は45%で、日本は比較可能な32カ国の中で、最も低い30%だった。最も高かったのはリトアニアの59%で、ラトビアが55%、フィンランドが53%で続いた。OECDは日本に対し「女性の才能を十分に活用できていない。改善が必要だ」と指摘している。また、高等教育にかかる費用のうち、日本は政府などの公的支出は33%にとどまり、家庭負担が52%と高くなっていた。
国税庁が発表した2021事務年度(昨年7月〜今年6月)に実施した所得税の調査結果によると、高所得者や不動産の大口所有者ら「富裕層」の申告漏れ所得の総額は前年度比72.3%増の839億円に上ることが明らかになった。統計開始の2009年度以降で最高額となり、1件当たりの申告漏れ金額は3767万円だった。新型コロナウイルス感染拡大で減っていた対面での調査が増え、全体の調査件数は前年度比19.4%増の約59万9千件だった。
旭化成ホームプロダクツが2人以上で暮らし、週5日以上料理をする20以上の男女を対象に、「毎日の料理に心が折れたことがあるか」を尋ねたところ、「よくある」「時々ある」と答えた人は58.4%に上ることが分かった。また、料理に関して感じていることを尋ねたところ(複数回答)、「面倒」(44%)、「疲れる」(34.3%)、「仕方なくやっている」(30.3%)と料理づくりに否定的な意見多かった一方で、「やりがいがある」(22.3%)、「達成感がある」(20.3%)と肯定的な声もあった。