社会・経済ニュース
2023年03月28日号
国土交通省の公示地価(2023年1月1日時点)は全用途の全国平均が前年比1.6%上昇していたことが明らかになった。2年連続での上昇で、住宅地、商業地のいずれも上昇した。住宅地は東京、名古屋、大阪の3大都市圏は昨年の0.5%から1.7%と上昇率が高く、地方4市の札幌、仙台、広島、福岡も8.6%上昇で、上昇は10年連続となった。一方、商業地は、全国平均が昨年の0.4%から1.8%と上昇幅が拡大している。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表した報告書で、今世紀末の気温上昇幅が1.5度を超える恐れが強まっており、気温上昇を1.5度に抑えるためには2030年に世界の二酸化炭素(CO2)の排出を現状から48%削減させる必要があると指摘した。報告書では1.5度抑制するためには、CO2排出量を2035年に65%、2050年には99%削減が必要だと指摘したうえで、IPCCは「今後10年間の対策が人類や地球に数千年にわたって影響を与える」との警告を発した。
米連邦準備制度理事会(FRB)の週次の商業銀行統計によると、3月9〜15日の期間に米国の中小銀行から1200億ドル(約15兆7千億円)の預金が流出したことが分かった。金額ベースでは過去最大の減少。背景にはシリコンバレー銀行(SVB)などの経営破綻を機に一気に信用不安が広がったため、顧客が預金を移す動きが広がったものとみられている。逆に、大手銀行の預金残高は666億ドル(約8兆6580億円)増加した。
京都市が全国の自治体では初めてとなる法定外税「空き家税」の創設が総務省の同意を得た。2026年以降、空き家の所有者に税金が課されることになった。「空き家税」の課税を回避するために売却や賃貸を促進させ、京都市の課題となっている住宅不足を解消する狙いがある。空き家以外に日常的に使われていない別荘や別宅も対象となる。京都市では現時点で課税対象となるのは約1万5千戸とみている。
米商務省は2022年の経常収支の赤字額は前年比11.5%増の9437億9500万ドル(約124兆円)だったと発表した。赤字額としては過去最大だった2021年の8463億ドルを大きく上回り、最大を更新した。国内需要の増加を背景に輸入が大幅に拡大したことに加え、物価高も赤字額を押し上げたことが要因となっている。モノの赤字額が9.2%増の1兆1910億2900万ドルで最高額を記録した一方で、サービスの黒字額は微増の2457億1千万ドルとなっている。
警察庁のまとめによると、75歳以上が免許更新や信号無視などの交通違反の際に義務付けられている認知機能検査で、2022年に「認知症の恐れあり」と判定された3万1400人のうち、1万9790人が免許継続を断念したことが分かった。認知症の恐れありとして免許継続を断念した人は63%で、そのうちの4割が免許証の自主返納だった。一方、「認知症の恐れあり」と指摘されたものの、免許継続をした人は4割弱だった。
厚生労働省の2月の労働経済動向調査で、企業が人手不足感を示す指数で正社員の「不足」が「過剰」を上回り、プラス46となったことが明らかになった。2008年2月以降で最高となり、47期連続で「不足」が「過剰」を上回った。背景には新型コロナウイルス禍で停滞していた経済活動の再開により不足感が強まっていることが挙げられている。産業別に正社員の不足は、医療・福祉がプラス63で、建設業と運輸・郵便業がプラス56で続いている。
転職サイトを運営する「キャリアデザイン」が20〜60代の男女を対象にした調査で、仕事の内容や待遇など、職場での「ジェンダーギャップ(男女格差)」があるかを尋ねたところ、男女とも約6割が「ある」と答えていることが分かった。その上で、女性の55%が「不利」と答えており、男性の20%を大きく上回っていた。また、男女ともに半数が「女性(男性)だから」とか「女性(男性)らしさ」といった固定観念やプレッシャーによって、生きづらさを感じていることが分かった。