社会・経済ニュース
2023年06月13日号
1〜3月期GDP、年率2.7%増に
内閣府は2023年1〜3月期の国内総生産(GDP)は実質で前期比0.7%増となり、年率換算で2.7%となったと発表した。新型コロナウイルス感染の流行が一服したことから国内需要が高まり景気回復をけん引したとしている。項目別にみると、個人消費は0.5%増、設備投資が1.4%増となっているが、住宅投資は0.1%減、公共投資は1.5%増に下方修正した。また、内閣府発表の5月の景気ウォッチャー調査では先行き指数が6か月ぶりに悪化しており、物価高などで先行き不透明感がある。

食品ロス、6年ぶりに増加に転じる
農林水産省と環境省が発表した2021年度の食品ロス発生量(推計値)は前年度比0.2%増の523万トンとなったことが明らかになった。6年ぶりに増加に転じたが、過去最低だった前年度の522万トンの微増にとどまっている。食品ロスは東京ドーム約4.2個分。内訳をみると、食品関連事業者の廃棄量は1.5%増の279万トン、家庭からの廃棄量は1.2%減の244万トンとなっている。政府は2030年度までに食品ロスを2000年度の半分となる489万トンに削減する目標を掲げている。

4月の実質賃金は13カ月連続で減少
厚生労働省が発表した4月の実質賃金は物価変動を反映した実質賃金は前年同月比3.0%減となり、13カ月連続で減少したことが明らかになった。新年度を迎えて進む賃上げで実質賃金の減少に歯止めがかかると注目を集めていたが、物価高の進展により実質賃金は減少している。同省では「賃金は伸びているものの、物価高に追いついていない状況が続いている」と指摘している。基本給や残業代などを合わせた1人当たりの4月の現金給与額は28万5176円で、前年同月比1.0%増で、16カ月連続での上昇となっている。

おもちゃの国内市場規模、初の1兆円超え
日本玩具協会の調査で2022年度のおもちゃの国内市場規模が初めて1兆円を突破したことが分かった。調査対象のおもちゃはテレビゲームを除くカードゲーム・知育用品・模型・ミニカーなどで、これらを希望小売価格で計算した出荷額は9525億円。これにカプセルトイの610億円を合計した1兆135億円。少子化の中で、ロングセラー商品のラインアップをかつて親しんだ大人向けに広げたことや、海外で人気のアニメ関連グッズが外国人の需要を掴んだことが市場規模拡大の背景にあるとされている。

生活保護申請件数、3年連続の増加
厚生労働省は2022年度の生活保護申請件数は前年度から6.9%増の24万5686件だったと発表した。3年連続の増加で、新型コロナウイルス禍の長期化や物価高が影響したとみられる。今年3月の生活保護申請件数は前年同月比23.7%増の2万4493件となり、比較が可能な2013年4月以降で過去2番目の伸び率だった。同省では2022年度と今年3月の申請の増加について、「コロナ禍での経済情勢の動向などが要因だが、特定はできない」としている。

日本人の98%がビタミンD不足
東京慈恵医大などの研究チームは健康な日本人の血液を調べたところ、98%でビタミンDが不足していたとの調査結果を発表した。調査は2019年4月から2021年3月に東京都内で健康診断した成人男女約5500人を対象に、血中ビタミンD濃度を調べたもので、全体の98%で必要とされる値を下回っていた。とくに、シイタケなどのキノコ類から摂取する植物由来のビタミンDは検出されず、とくに若い人ほど不足している傾向があった。食生活の変化が原因の可能性があるとしている。

5類移行後も46%が「街中ではマスク」
仲田東京大准教授と高久一橋大准教授が全国の20〜79歳の男女1千人を対象にマスク着用状況をアンケート調査したところ、人通りの少ない街中を歩いている時に「常にしている」「おおむねしている」は46%だったことが分かった。新型感染症法上の分類が「5類」に引き下げられる前と比べ4ポイント減で、マスク着用の判断が個人に委ねられた3月13日と比べ約20ポイント減となっている。

SDGsに取り組む企業に「良い印象」
電通が行なった全国の10〜70代の男女を対象にした意識調査によると、SDGsを知っているかを尋ねたところ、「内容は分からないが聞いたことがある」(51.2%)、「内容まで知っている」(40.4%)と答え、9割を超える人が名称や内容を知っていた。また、企業がSDGsに取り組むことの影響を尋ねたところ(複数回答)、「良い印象が強くなる」(59.1%)、「好感度が上がる・応援したくなる」(56.5%)、「信頼感が増す」(55.9%)などが挙げられた。