社会・経済ニュース
2023年07月04日号
帝国データバンクの予想によると、2023年の食品の値上げは3万5千品目に達し、2022年通年での値上げされた2万5768品目を大きく上回る見通しにあることが明らかになった。原材料高と円安の進行により輸入物価が押し上げられたことに加え、その分の価格転嫁が進むとみている。同社では「現在のような円安水準が半年も続けば、来年夏にかけて値上げの動きが再び進む」とみている。食品値上げは3年目入りで、同社では「2023年度の家計負担は1世帯当たり前年度比9万円増える」とみている。
欧州連合(EU)欧州委員会は2011年の東京電力福島第一原発事故に伴って日本産食品の輸入規制を完全撤廃する方向で最終調整していることをEU関係者が明らかにした。今年7月末に公表される見通しで、欧州委員会はモニタリング検査などの科学的知見に基づき規制を撤廃するのが妥当と判断している。2023年時点で輸入規制を行っているのはEUを含め12カ国・地域で、欧州27カ国が加盟するEUが規制撤廃することで、規制を維持している中国をはじめとする国々の対応に焦点が集まる。
日銀は2023年1〜3月期資金循環統計で、日銀が保有する国債は576兆643億円だったと発表した。今年3月末時点での国債発行残高は1079兆9593億円で、日銀が53.34%を保有していることになり、過去最大を更新した。日銀の前総裁が就任した2013年3月末時点での保有比率は11.55%だったが、大規模な金融緩和政策から市中から国債を買い上げたことから、この10年間で約4.6倍にまで膨らんでいる。一方、家計が保有する金融資産の残高は過去最大となる2043兆円だった。
スイスの国際経営開発研究所(IMD)は2023年版世界競争力ランキングによると、日本の競争力はランクを前年から1つ下げて世界35位であることが明らかになった。IMDは世界の主要64カ国・地域を対象に「経済実績」「ビジネスの効率性」「政府の効率性」「インフラ」の4項目で競争力を評価している。日本は「ビジネスの効率性」を除く3項目で前年から順位を落としている。2023年の首位は2年連続でデンマークとなった。アジアでの最高位は世界4位のシンガポールだった。
厚生労働省は2022年度国民年金の保険料納付率は76.1%だったと発表した。11年連続で前年度を上回った。納付率上昇の要因について同省は「督促の強化やスマートフォンの決済アプリによる納付の導入などによる対策を講じた結果だ」としている。一方、所得が低いことなどから保険料の納付を全額免除・猶予されている人は2022年度末時点で606万人となり、前年度から6万人減少しているものの、過去3番目の多さとなっている。都道府県別にみると、納付率が最も高かったのは島根(86.8%)で、最も低かったのは大阪(69.2%)だった。
公益社団法人日本学校保健会が全国の公立の小中学校と特別支援学校、義務教育学校、中等教育学校を対象に調査したところ、食物アレルギーのある児童生徒が52万6705人いることが分かった。9年前の前回調査時点から約12万人増加しており、激しいアレルギー症状「アナフィラキシー」を起こしたことのある児童生徒も前回調査から約8千人増えていた。他方、アナフィラキシーなどを想定した緊急対応の模擬訓練を実施した学校は26.8%にとどまっていた。
内閣府は6月の消費動向調査で向こう半年間の消費者心理を示す消費者態度指数(2人以上世帯)は前月比0.2ポイント上昇の36.2だったと発表した。4ヵ月連続で改善しており、内閣府担当者は「賃上げが進んでいるためではないか」とみている。1年後の物価見通しについては、93.2%が「上昇する」とみており、上昇率を半数を超える53.4%の人が「5%以上」とみている。
国立成育医療研究センターの調査によると、小学6年〜高校2年生の68%が体育の授業中にマスクを「外したい」と思っていることが分かった。実際に「外す」は49%にと止まっていた。新型コロナウイルス対策としてのマスク着用は3月13日から着用基準が緩和され、屋内外を問わず「個人の判断」とされた。マスクを着けたい理由を尋ねたところ(複数回答)、「安心する」(47%)、「みんながしている」(44%)が挙げられた。